しじらの単衣を縫う
5月ごろから、本格的に趣味の和裁をはじめました(「本格的な趣味」とは)。
いつものリサイクル着物の催事で手に入れた紺のしじら織。
まずはここからはじめてみよう、ということで、阿佐ヶ谷にある一六八堂の和裁教室にかよっています。
回数券の期間内ならいつでもいいというゆるい枠の中で行っているため、2〜3週間空いたり、2週連続で行ったりと、都合に合わせてできるのがわたしのような人間にはちょうどよいくらい。
はじめの説明では、綿の単衣を縫うのには大体12〜16回ほどかかると聞いていました。
1回2時間の教室。
この間5回目が終わったのですが、もうすぐ半分なのか、まだ1/3なのかいまいちよくわかりません。
もうすぐ半分だといいなぁ……
毎週通った方が早く仕上がるか、というとそうでもなく、「家でどれだけ進められるか」にかかっているらしいです。
実際、わたしも「宿題」を終えてから次の予約をしているので、どうしても毎週通うのは難しいのが現状です。
宿題の量は進度と人によって違うらしいのですが、わたしは「慣れているからいけますよ」と割と多めにもらっています。
だからなかなか行けないともいう。
別に和裁に慣れているわけではなく、そこそこ洋裁経験があるので、針と糸と生地の扱いに、全くの初心者に比べると格段に違うとのことです。
まあ、そこは流石に…… 伊達にウールコートまで仕立てるような変な私立に通っていただけのことはないよね、うん。
運針もほら、得意じゃないけれど、やりたいことはわかるんですよ、うん。
苦手だけれども。
ま、中高時代の家庭科が存分に活きているようで、服を作らなくなって15年以上たつけれどまだ役に立っているようです。
人生とはわからないものですね。
それにしても、ひたすら手縫いを続けていく和裁は大変ではないか、と思われるかもしれないのですが、これが思ったほど辛くありまん。
まだ見頃を必死で縫っている途中ですが、なにがいいって縫い目が直線なことです。
ひたすらまっすぐ縫い続け、曲がってしまったらすぐわかるので、少し糸を引き抜いてまた縫いなおします。
ひたすらぬい続けることも、肩の凝る大変な作業かと思ったら、案外そうでもないのです。
背すじを伸ばして肩の力を抜いているときが、一番綺麗に運針ができます。
そのことに割とすぐに気づけたので、肩こりとは無限の作業であることもわかりました。
今はたいてい適当な動画やラジオの音声をなかば聞き流しながら、空いた時間にちくちくと縫い進めています。
作業動画の時間をタイマーがわりにすると、ちょうどいいことにも気がつきました。
手縫いはよいほど細かな仕上げ作業ではいつでも切り上げることができます。
ミシンだとこうはいかないよなぁ……
ミシンは出すのと片付けるのが面倒だし……
と思ってしまいます。
今回のわたしの宿題は、前見頃の上げの三つ折りぐけ×2、前身頃と後身頃の縫い合わせ×1、袖付位置のくけ、です。
縫う箇所は長さにして2m程度なんですが、三つ折りぐけが苦手なんだぁ……
先生は「くけも運針なんですけどねー」とのんびりおっしゃるのですが、こちらは運針の宿題をガタガタのバラバラの針目で提出した人間ですから。
今は細かくゆっくり縫うので精一杯です。
いつかすいすいと縫える日がくるのでしょうか。
…… また運針の練習、したほうがいいかしら。
夏の暑さと忙しさにかまけて、思ったよりのんびり進んでいるしじらの単衣。
今年の秋より、来年の春の完成を目指したほうがよさそうです。
なんだかんだ新しいことを始めるのは楽しいことです。
1着できたら、次は浴衣を縫おうと実は生地を買ってしまっています。
2〜3着縫う頃には、わたしにも一人である程度縫えるようになっているでしょうか。
そうだといいな、と思いながらまた今日も針を取るのでした。