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人助けの難しさ【カミーノへ行こう:本編その32】

本日の歩行:25.5キロ、6時間45分

満月だ!!
と思って早起きしたら、曇りだった件。
ぎぎぎ。
曇り空の中、歩き開始。
今日は25キロくらいだけど、あまり途中止まれるところ少ないよなあと思いながら歩きはじめる。

歩き始めて早々、分かれ道(町中)できょろきょろしてるおじさんに遭遇。
スペイン語しか話せないみたいなので、身振りで「この矢印に沿って歩くんだよ」と教える。
ところでおじさん、前と後ろにナップザック抱えて、アプリの地図は持ってるっぽいけど矢印の存在を知らず、しかもヘッドライトがない。
おいお早朝ウォークの装備じゃないやろ、と心の中でツッコむ。
今の時間、6:30。
今日の日の出、8:30。
曇り。
いやあ、日の出遅くなったなぁ。
こないだまで7:50とかだったのに。

そんな感じでおじさんに不安を感じつつ、さりとてゆっくりめに歩くおじさんを助けられるはずもなく、無情にもおじさんを置き去りにして森の中へ行くわたし。
ごめんおじさん、後ろからくる人に助けてもらって。
わたしは前を行く強ヘッドライトのお姉さんについて行きたいんだ(早足)。

こういう時、人を助けるってなんだろう、と思う。
自分に余裕があれば、助けられる。
わたしに体力があって、町への到着が遅くなっても平気だったりとか、あるいはスペイン語ができておじさんを日の出まで待つよう説得するとか、あるいはライトを2個持っているとか。
でもそんなことはあり得なくて、わたしは自分のペースを乱したら歩けないし、余剰体力はないし、スペアなんて持っていない。
カミーノは助け合いが大事だけど、そしてたくさん助けてもらったし、わたしもできる範囲内では助けてきたと思うけど、それって限界がある。
限界以上のことをするのは共倒れだから、無理なんだよな。

という教えを『図南の翼』学んでいるので、助けるって、なぁ、と思いながら歩き続けた。

ところで今日の天気予報は曇り。
実際のところ、霧ときどき雨。
寒いのと景色が楽しめないのが辛い。
せめて晴れてくれれば……
サリアからの参入組がいるので、団体で歩いている人たち、初の雨に心をおられかけてる人たちなどいろいろいる。
サンジャンピエドポーからの人たちは、また雨かー、くらいのノリなので、なんというか面構えが違うってこのことだよな。

今日は靴の合わせ具合が上手くなかったのか、途中からかなり足が痛い。
またしてもひょこひょこ足を引き摺りながら歩いて、二つめの休憩でちょっと直して、でも相変わらず痛い。
うーん、あとちょっと大丈夫かなぁ?
ここではクリスチャンの団体が無料で休憩所を運営していて、ホットミルクにビスケットを浸すという最高の贅沢をした。
美味しい。

それからさらに歩いてたどり着いた町は、「王の城」の名前を持つこぢんまりとした町。
王と言っても、古代ローマ時代っぽいから、ほんとに昔の話よな。
ここの教会のミサはなんだかモダン?で、スクリーンに聖句や歌の歌詞が表示されたりしてなかなか新鮮。
しかも英語の翻訳もあるという充実っぷり。
こんな小さい町でなんでこんな設備と労力をかけられるんだ。
謎。

カミーノも残り3日。
ひとりの力で歩いているんじゃないと、日々実感する。
とりあえず明日乗り切れるといいな。


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