終わりの始まり【カミーノへ行こう:本編その30】
本日の歩行:16.7キロ、4時間15分
もしや最速まである。
あと今日が最短かな。
今日のルートは2種類あって、わたしは迷わず短いほうを選択したのだが、ほとんど雨だったので短いほうにして本当に良かった。
村もほとんど閉まってたしね。
雨の山道は登りも下りもそれほど急ではないものの、やっぱり少し不安。
今日はたまたま、よく行き合う韓国人のおじさん(喋ったことはない)と同じタイミングだったので、なんとなく一緒に歩く。
挨拶すらしない。
でもまあ助かった。
そうこうしているうちに、韓国人マダムの団体に追い越される。
ライトも持ってないようなのに、雨の中暗闇の中そのスピード……
元気だなぁ。
そうこうしているうちに明るくなってきたのでおじさんとは自然にお別れし、ひたすら淡々と歩く。
最近この「淡々と歩く」しかしていない気がする。
ガリシア州に入ってから、道を示す矢印を頻繁に見かけるようになった。
ありがたいんだけど、分かれ道じゃなくて1キロごととかに置くのはやめてほしい。
まだこれしか進んでいないのかと心が折れる。
カスティーリャ・レオン州の看板は治安が悪かった(主にレオン側の敵対心が強い)が、ガリシアはおとなしい。
どの国も、地域間闘争ってあるよねぇ……
宿に着くのが早すぎたせいで(11時)まだ開いてなかったので、Sarriaの町中をぐるっと歩く。
カミーノの最後の100キロの入り口の街なので、とにかく宿と巡礼者向けのお土産屋さんが多い。
わたしは「だまれTシャツ」がほしいのだが、巡礼路じゃ無理だろうな……
マドリッドで買えるといい。
夜にミサがある教会以外はたいして見るところも無さそうなので(失礼)、宿に戻るとちょうどチェックイン開始。
だけどまだ荷物が届いていない。
仕方がないのでお昼ごはんを、珍しくお高いところに食べに行く。
ガリシア地方は茹で蛸が有名だと昨日会った日本人に聞いたので、タコをメインで出しているお店へ。
昼しかやってないというし。
タコ、うまし。
茹で蛸に塩とオリーブオイルしかかけないというセンス、醤油しかかけない日本人に通じるものがある。
帰ってきてもまだ荷物が届かないのでしばし待つ。
割とすぐに届いたので良かった。
あとはのんびりして、夜にミサに行くだけ。
わたしにとってはあと1週間もない最後の行程だけど、ここから始まる人もいるんだね。
なんだか感慨深いものがある。
本当に巡礼は人それぞれだなぁ。