山と琺瑯と私
かろん
という丸いような尖ったような音がするのが、けっこうお気に入りです。
とはいえガラス製品でもあるので、ていねいに扱いましょう。
先日、友人に誘われて登山に行ってきました。
泊まりがけの登山(登ったのは2日目だけだけど)なんて、高校生以来ですよ。わたし、基本的にインドア人間なので。
道具は手持ちとか借りたりしたのですが、友人が
「美味しいコーヒー豆あるから、カップ持ってきてね〜」
「ほう、どんなカップがいい?」
「わたしはホーローの使ってるよ。金属だと酸っぱくなるから」
というので。
なるほどマイカップ。
と思って探しはじめました。
一目惚れできるようなカップを探すため、アマゾンの奥地にまで足を踏み入れた結果、ようやく見出したのがこちら。
(結局グーグルの海で見つけましたが。)
ovjectのホーローカップです。
見て、この佇まい。
シンプルでありながら、そこはかとないスタイリッシュさを兼ね備えたフォルム。
シックな色味は、山に持っていけば北欧っぽく見えなくもなく、街で使ってもすっと馴染みます。
これ。
これよ、わたしが求めていたのは。
道具選びの方向性はいろいろあると思うのですが、わたしとしては、今後もアウトドアで使う可能性があるならば、それなりに使いやすくいいものを揃えたいのです。
そう、なんといっても、今年の秋冬は『ゆるキャン△』をしたいので。
山に行くならばできるだけ携行性の高いものがいいし、山ご飯にも興味があります。
『山と食欲と私』みたいな山ご飯、ちょっと憧れます。見た限りでは、やっぱり軽いほうがいいだろうし、お気に入りであることも大事だし、使い勝手がいいほうがいい。
一方で、アウトドアはわたしにとっては優先度の低い趣味(?)になるわけで、買ったカップをしまいっぱなしではもったいない。できれば日常使いもできた方がいいけれど、さて、日常生活のなかでいわゆる「キャンプ用品のカップ」を使う自分を想像すると、ものすごーく、“そぐわない”のです。
なんかこう、学ジャー着てパンプスを履いているような、ものすごい違和感を感じてしまいます。ちなみに、わたしはたとえキレイめであっても、スニーカーやジーパンやリュックを使っていると「意外」と言われるタイプの人間です。カジュアルやカントリーが果てしなく似合いません。
だから、ホーローのカップ探しには難航しました。
どれも単体では可愛いかったりかっこよかったりするけれど、どうしても「アウトドアです!」「アメカジです!」「自然と一体です!」感が全面推し。
ようやくこのovjectのカップにたどり着いたときには、諸手を挙げてよろこびました。
ではもう一度ご覧ください。
この、スタバにおいてもまったく違和感のない佇まいを。
なのに山に持っていってもとてもいいんですよ。
ほら。
何度でも言いますが、最高です。
このマグカップの素晴らしいところは、飲み口のついた蓋がついていることと、持ち手がマグネットで着脱式になっていることです。
キャンプ用品のステンレスカップだと、持ち手が畳めるものが主流ですが、ホーローはそういうわけにいきません。つまり、収納性がちょっと落ちるのです。
その点、このカップなら持ち手を外してカップの中にいれて持ち運べます。しかも、マグネットがついているから、カップの中に入れていてもガラガラいいません。
また、持ち手と蓋はプラスチック性のため、熱伝導で熱くなったりもしません。とても使いやすい。
さらにさらに、好みに合わせてカスタマイズができます。
カップ本体は、白・グレー・黒の3色。
持ち手の色は、白・グレー・黒・テラコッタ・紫の5色。
組み合わせのバリエーションは15種類です。
はじめは白と紫にしようかな、と思っていたのですが、白だと僅かでも汚れがついたら気になるかな……と思い、温かみのあるグレーにしました。
グレーって、白や黒と違って、そこはかとなくほっこり感がありますよね。無機質な色なのに、ふしぎです。
そして、持ち手の方はシンプルに、そして軽やかな感じにしたかったので、白にしました。
とても、かわいいです。
かわいくて、シュッとしているのに、甘みがあって、どこまでもそっけない感じ。
とてもいいですね。
この製品を作っているのは、阪和ホーロー株式会社という60年以上もホーローを作っている会社です。
こういう技術を持った会社が、デザインをアップデートしてバリエーションを増やして、質のいい製品を世に出してくれることを嬉しく思います。
ovjectはほかにも、ポットやタンブラーも出しているようで、そちらも美しいフォルムがとても気になります。
特にタンブラーは、ステンレスとホーローの二重構造で、保温できる上にステンレスにはNGとされている酸性の液体も大丈夫とのこと。
つまり、ホットレモネードを入れて持ち歩けるのですよ。すばらしいにも程があります。
ホーローは、漢字で書くと「琺瑯」です。
琺は釉薬のこと。ホーローは、金属にガラスを被せ、そこに釉薬を塗って焼くことで、素材を保護するとともに色や艶を出しています。
瑯は美しい石、金属や玉が触れあう音、という意味の漢字だそうです。
製法と佇まいの両方を表す言葉でした。
とてもいいですねありがとう
次の山がいつになるかわかりませんが、次もこのカップをお供に、美味しいコーヒーを飲みたいものです。
でもその前に、デイキャンデビューしたいですね。
わたしがやりたいのはこちら↓
でもこちらも参考になるんです。主に飯関連で↓