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にわかあがりのルールかじり 1 アンコンテストスクラム イーグルス対ワイルドナイツ

今日もルールぜんぜん分からない素人が、試合中に起こった出来事を競技規則と照らし合わせて、ルール考察をしていきます
間違ってた時はぜひ優しく教えてください。間違ってた箇所があった場合は追記します!

アンコンテストスクラム

2025年2月16日に行われたNTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25 ディビジョン1 第8節 交流戦
横浜キヤノンイーグルス 対 埼玉パナソニックワイルドナイツ

この試合後半69:50あたりで、珍しくアンコンテストスクラムが組まれました。

アンコンテストスクラムとは

争奪をすることなく、ボールを投入するチームがボールを保持するスクラム。どちらのチームもマークから押すことはできない。

競技規則/定義

つまり押し合わないスクラムで、ボールを投入したチームはその後、必ずボールをプレイできます

何がおきたのか?

前半20分、3番プロップの藤井 大喜選手がイエローカードをもらい、その後前半32分のタイミングで再びイエローカードとなり、カード累積によりレッドカード扱いとなり退場となりました。その後変わって入ったヴァル アサエリ愛選手がHIA検査のため一時退出することに。1番木原 優作選手が代わりに入りました。

スクラムを組むことになりましたが、ワイルドナイツにはプロップをできる人がもういません。1番の木原選手も3番を担うことができないため、アンコンテストスクラムが決定しました。

ワイルドナイツ側は、福井 翔大選手を外に出し、さらに福井選手の代わりにヴィンス ・アソ選手がスクラムに参加しました。

その後イーグルスがトライを決めて、リスタートキックをしようとしたとき
レフリーが笛を吹いて試合を止めました。

「青が15人いるよ」

通常イエローの時に専門職が一時的に交代しても、一度ゲームが途切れると専門職代役を外に出すことで、外に出ていた人は戻ってくることができるはずです。(イエローの時、スクラム中は13でもそのあと14ですよね・・・?)
そして今回はHIAなので当然青が15人いるのは適正な状態の筈だと私は思いました。

しかしながら、ちょっぴり長い審議が行われた後、福井選手はフィールドから追い出され、その後戻ってくることは認められませんでした。これは一体何がおきたのでしょうか?
ルールに詳しくない私がルール考察をしていきます。

ルール上の扱い

3.19フロントロープレーヤーが一時的退出となり、すでにフィールドにいるプレーヤーではコンテストスクラムを続けられなくなった場合、そのチームは、競技区域を離れる他のプレーヤーを指名して、出場可能なフロントロープレーヤーが入ることができるようにする。指名されたプレーヤーは、一時的退出が終了するまで戻ってはならない、または、交替とみなされることになる。

競技規則

今回、ワイルドナイツにはプロップが二人しかエントリーしていないのに、その二人目がHIAで一時退出しました。
3.19により、プロップ代わりにフロントローを入れなければなりません。すでに投入されている木原選手はフロントローなのでここの問題はクリア。
フロントローを入れた代わりに指名したプレーヤーを外に出さなければいけないルール(おそらくアンコンテストスクラムになった責任を負わなければならないと推測)なので、福井選手が外へ出ました。
しかしアンコンテストスクラムは8人でやらなければいけないというルールがあります。

3.15退場、一時的退出、または、負傷によるアンコンテストスクラムは、両チーム8名ずつで行われなければならない。

競技規則

なので、アソ選手がバックスから呼び寄せられてスクラムに参加したわけです。

今回の場合、3.19指名されたプレーヤーは、一時的退出が終了するまで戻ってはならない、または、交替とみなされることになる。

このルールにより、福井選手は元に戻ることができず、ワイルドナイツは14人での戦いを強いられました。多分。

追加2025-2-16:レッドカード20分制度があるため、本当に14人でなければならなかったのかは、議論の余地があるようです。
追記2025-2-17昼:日本語訳されていないガイドラインがTLに流れてきました。これによれば15人でプレーできる可能性が高そうです。
https://passport.world.rugby/laws-of-the-game/law-application-guidelines/uncontested-scrums-march-2020/

つまりガイドラインによると。、そもそもスクラムの時点で、福井選手は外に出る必要なかったかもしれない?
追加2025/02/17夜:結局20分レッドは2024-25シーズンからの制度で、このガイドラインは2020なので、人数に関してはいま明確な答えは出せない状況のようです。

疑問点

しかしここで私は疑問に思いました。
一人目がレッドカードで交代できないのは自業自得だから、14人なのは仕方が無い。それは理解できる。
でも、もし一人目が相手が原因の負傷交代だった場合でも14人なのはアンフェアじゃない
たとえばハイパントをキャッチする際に、空中でタックルを受けて負傷してプレイできないとかそんな場合ですね。

3.19のみを見れば、そう扱わないといけないはずです。
でもどう考えてもアンフェアじゃないので他のサイトを調べてみました。

こちらのサイトの表によると、一人目のフロントローが通常の負傷の場合、二人目のフロントローがHIAと負傷で人数が違います。しかも通常の負傷の場合、です。ずいぶん含みのある単語ですね。しかし根拠が分からず。

Xで調べていたら、なんとこのブログの今野 達朗さんがちょうどアンコンテストスクラムについてつぶやいていました。しかも他の方が質問していて、答えてくださっている・・!これはもう聞くしかない!
ということで伺いました。

まさかの、競技規則に書いてないけどそういう扱いをするというパターン!!!!なぜ!競技規則に追記してくれないのか!!!!

ということで、競技規則とは別に競技規則適応のガイドラインというものが存在すると言うことを初めて知った日でした。今度からルールを掘り下げるときはガイドラインもしっかりチェックしましょう!

ということで、一人目が相手が原因の負傷交代の場合、15人でプレイできるということの根拠が無事に判明しました。この世界はフェアだった、よかった!

追記2025-2-17昼
2020版のガイドラインでもこの点についての変更点はないようです。

今野 達朗さん、教えてくださり本当にありがとうございました。
今野 達朗さんのブログはこちらです!

ラグビー選手がファンの方から貰って喜ぶプレゼントなど面白い記事から、普通にファンをしていたら絶対知り得ないだろう試合のジャージの話など盛りだくさんです!


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