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にわかあがりのルールかじり 6 ノット10mバック ホンダヒート対ブレイブルーパス
ルールをちょっと知ると観戦がもっと楽しくなるかもしれないと期待して、ルールをかじるもの。ルールビーバーです。
今日もルールぜんぜん分からない素人が、試合中に起こった出来事を競技規則と照らし合わせて、ルールを考察します。間違ってた時はぜひ優しく教えてください。間違ってた箇所があった場合は追記します!
今回のお題はノット10メーターバックです。
試合
NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25 ディビジョン1
第6節 交流戦
三重ホンダヒート vs 東芝ブレイブルーパス東京
この試合、リーチ マイケル選手にイエローカードが与えられました。
このイエローカードは適正だったのか?考察していきたいと思います。
状況
トライライン間際、ブレイブルーパスは倒れた選手がプレーをしたことにより、ペナルティを取られた。
ボールがホンダヒートの6番パブロ ・マテーラ へと渡ると、マテーラは即ボールをタップして走り出す。まっすぐ見据えた視線の先は、ブレイブルーパス8番リーチ マイケルだ。
マテーラは意図的にリーチに突っ込んでいった。
レフリーはすぐにアドバンテージを与え、プレーは続行したがボールはアンプレイアブルとなり、アドバンテージの位置へ戻ることになった。
レフリーはペナルティーの位置まで歩いて戻り、ヒートは作戦会議に入った。少しのブレイクタイムと思いきや、レフリーは突然笛を吹き、タイムオフを宣言。そしてリーチ選手の所まで行き、イエローカードを掲示した。
「僕の方へ走ってきた」と主張するリーチ選手に対し「ダメです、あなたは下がらなければいけない」ときっぱりばっさり切り捨てるレフリー。その後もリーチ選手は何度もレフリーに主張するけれども、レフリーは首を振り外へ行くよう促すばかり。取り合う余地はないらしい。リーチ選手はかなり不服そうな印象を受けた。
私は思った。
いや相手が突っ込んできたのにどうやって避けるの、ムリじゃん
なんでイエロー?
もしこの試合が、自分が現地で見ていて、しかも自分の推しているチームの試合で、このイエローが自分の推しに対して掲示されたものなら、多分鼻息を荒くしていたことだろう。情報が少なすぎる、何も分からない。
ルールを確認
ペナルティ、または、フリーキックが与えられたら、相手チームはただちに自陣のゴールラインの方向へ10メートル、または、10メートルの距離がない場合は自陣のゴールラインまで、後退しなくてはならない。
罰:2回目のペナルティキック、または、フリーキック。最初のマークの地点よりも10メートル前で行う。2回目のペナルティキック、または、フリーキックは、レフリーがマークを示すまで行ってはならない。
注目のポイントは、与えられる罰は2回目のペナルティキック、または、フリーキックであると言うこと。通常はイエローカードではないのだ。
ではなぜイエローカードだったのだろうか?
状況を再確認
倒れた選手がプレーをしたことによってペナルティが与えられてから走り出すまで、オンデマンドの映像はカメラの向きは固定されていたので分かりやすかった。
ブレイブルーパス10番リッチー・モウンガ選手や、その他カメラのフレームの外からあとで映し出された選手は後ろに下がっている。つまり10m下がる時間の余裕があった可能性が高い。
そしてリーチ選手はというと、マテーラ選手が走り出す直前、実はカメラの向きが固定された映像の左端に、一瞬リーチ選手の右手が映り込む。
それまで映っていなかったリーチ選手が急にフレームの中へ入ってきた。つまり、後ろに下がるどころか前に出てきていることが見て取れる。おそらくだが、タイムオフでないにも関わらずレフリーとコミュニケーションをとりに行った可能性がある。
本来10m下がらなければならないのに、故意に前へ出て進路を妨害した。この行為がイエローカードの対象となったのだろう。
イエローカードが掲示されるまでに少しのタイムラグがあったことから、アシスタントレフリー(AR)かTMOから報告があったのだろうと推測している方がいた。たしかに主審の後ろで起きたできごとだから、その可能性が高そうだ。
ARから「タップの直前、前に出てきましたよ」という報告があったなら、リーチがどれだけ相手が自分の方へ走ってきた!避けようがない!と主張したとしても、あんな頑なに一切取り合わないのも頷ける。
結論
ノット10メーターバックでイエローカードなんて、驚きましたがちゃんと理由があったんですね。アシスタントレフリーはちゃんとよく見ていたんですね!そして、マテーラ選手も見ていたんですね・・!