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にわかあがりのルールかじり 4 ジャッkスティール ブレイブルーパス対サンゴリアス
今日もルールぜんぜん分からない素人が、試合中に起こった出来事を競技規則と照らし合わせて、ルールを考察します。間違ってた時はぜひ優しく教えてください。間違ってた箇所があった場合は追記します!
今日は、みんな大好きジャッカル、改めスティールについてです。
はじめに
スティールができたかどうか?その判定は極めて難しいものだと私は思っています。この題材を扱うかは正直ちょっと悩みました。
我々素人には判定は無理だと思っています。そしてレフリーも、ほんの一瞬の出来事なんて角度や場所によっては、時に致命的瞬間を見逃してしまうこともあると思います。
なので「あのスティールは成立してない!!何を見てるんだ!!」とか文句を言うのはやめた方がいいと思います。文句を言って良いのは、リーグワンで実際にレフリングして1回もスティールの裁定を間違えなかった人だけです。
そんなことを踏まえた上で、スティールを見ていきましょう!
スティールとは
意外なことにスティールとは以下のことであるみたいな定義はされていません。でもジャッカラーについては定義されていました。
タックルに最初に到着した、タックラーの味方のプレーヤー。ボールを直接争奪するためには、立ったままでいなければならない。その前にタックルに参加していた場合は、ボールを争奪する前に、明らかにボールキャリアーを離していなければならない。
このあたりも参考になりそうです。
タックラーは、以下のことをしなくてはならない:
b. タックルされたプレーヤーから、また、ボールからただちに離れるか、立ち上がる。
c. 立ってからボールをプレーする。
他のプレーヤーは、以下のことをしなくてはならない:
b. ボールをプレーする時は、立ったままでいる。
c. ボールをプレーする前に、自チームのトライラインの方向からタックルに到着する。
チャンスはラックが成立する前だけ
ラックが成立してしまうと、手を使うことができません。なのでタックル後、立っている状態で、ボールキャリアからボールを奪う!それがスティールです。
重要なポイント 立っている状態
立っている状態とはどのような状態でしょうか?
これも競技規則に定義されています。
立っている(On feet)
体の足以外のいずれの部分も、地面、または、地面の上にいるプレーヤーに支えられていない状態のプレーヤーのことをいう。
Players are on their feet if no other part of their body is supported by the ground or players on the ground.
手が地面についていない
これはレフリーもよく見逃しがちなものですね。
横たわっている選手からボールを奪い取ろうとする際、一瞬手をついたかどうかの判定はめちゃくちゃ難しいと思います。ビデオでスロー再生してようやく分かる事も多いと思います。でもジャッカルのたびにTMOなんてしていられないですし、レフリーが見たか見てないかは運次第だと思っています。
時々、今から!ジャッカル!します!!と言わんばかりに両手を空へ一度掲げてからジャッカルする選手もいますね!私はあれを密かにライオンのポーズと呼んでいます。
立っている
よく膝がついているからだめ!!!と言われるのはこれが根拠ですね!
支えられていない
支えられていない状態、ピンときませんね。英語の方ではsupportedという単語が使われています。しかしルールで支える/supportは定義されていません。なので推測してみましょう。
たとえば、横たわっている味方を支えに使うことは、立ってると言えるかどうか?
もし、その状態で横たわっている選手を引っこ抜いたとしても、同じ状態をキープできるならそれは立ってると言えると思います。
横たわっている選手を引っこ抜いたとき、バランスを崩すならば、それはもたれかかっていると見なせるでしょう、もたれかかっていることは支えに使っている、すなわち支えられているのではないか?と考えます。
※これは何の根拠もない素人の推測です、ご注意ください。
追記2025-2-19夜:法律適用ガイドライン - 2023 年 1 月に以下の文章を発見。結構この推測は正しいかもしれない?
地面に手を付くプレーヤー
タックル、ラック、および、モールにおいて地面に手を付いたプレーヤーは、明らかに自分のバランスや安定を取るために地面を利用したかどうかではあるが、制裁の対象となる。
ブレイブルーパスのスティール
さて、ではこれらを元に
NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25 ディビジョン1 第8節 交流戦
東芝ブレイブルーパス東京 vs 東京サントリーサンゴリアス
最後のスティールのシーンを見ましょう。
状況
ホーンは既に鳴り、点差は10点差と1トライでは追いつかない状況ですが、サンゴリアスはなんとしてでも点差を縮め、勝ち点1が欲しい緊迫したい中、トライラインはまだ先。
しかし、サンゴリアス14番尾崎 泰雅選手がラインをブレイクし、一気にトライラインへと近づいた。ギリギリまで粘り相手を引きつけると、ボールは8番箸本 龍雅選手に託された。
ブレイブルーパス15番松永 拓朗選手が後ろからタックルをして8番は押し倒された。ラインブレイクにより一気に前進した影響か、サポートはなく孤立状態。そこへ一気にブレイブルーパス21番高橋 昴平選手と10番リッチー ・モウンガ選手が襲いかかり、スティールを試みた。
サンゴリアスの選手がサポートについた時には、すでにスティールの手はボールにしっかりとかかっていた。
これらは全て主審の目の前で繰り広げられており、やがて左手が挙がりスティールは認められた。
ルールと比較してみる
さてこのスティール、ルール上本当にちゃんとしたスティールだったのでしょうか?先ほどあげたポイント3つをチェックしてみます。
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手が地面についていない
スローで再生してみましたが、"地面には"ついていないようでした。
ただし、一瞬横たわっているイエロー8番の背中に手をついています。厳密に言えばこれはアウトでしょうか?
ここで私が先ほど繰り広げた独自の解釈を適応してみます。
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地面に手をつくとなぜダメなのか?
それは自立していないからだと私は考えています。基本的に地面に手をつくと重心がかなり前になるので、仮に地面が存在しなかったとき、状態が崩れてしまうはずです。
今回の状況はどうか?手をついた瞬間を再現してみました、イラスト下のコマです。おそらく黄色の選手がそこに存在しなかったとしても、同じ状態をキープできていたんじゃないかと推測できます。
だからレフリーはオッケーとみなしたんじゃないか?と推測します。
(くどいですが素人の推測です!全然違う可能性の方が高いと思います。単にレフリーがたまたま見てなかった可能性もあります。一瞬ですしね。)
立っている
映像から、明確に膝が地面についているというシーンは映っていません。大丈夫そうです。
支えられていない
10番に支えられている(もしくは押しつぶされようとしている?!)感じは若干ありますが、立っているプレイヤーなので問題ないですね。
ただ、最後の方は横たわっているプレイヤーの背中に若干膝がついているように見えます。
これはアウト?セーフ?
これも私の怪しい推測に当てはめてみます。
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もし仮に黄色8番が存在しなかったとしても、重心は結構後ろなので同じ体勢をキープできそうな気がします。多少膝が当たったとて、これは自立できていると見なせるのではないでしょうか?
結論
これはパーフェクトなジャッカルだと言えるでしょう!!!