見出し画像

サイアノ和紙作家日記 vol.09


始発の新幹線で西へ向かい、目的地とは違う京都で途中下車して下鴨神社に到着。本殿などには目もくれず、『花と光』を観る。神社、花、装飾品とは縁遠い方だけど、まずウェブでみたビジュアルに興味が湧き、ハイブランドとアーティスト、糺の森がある下鴨神社の組み合わせに惹かれて足を運んだ次第。

境内3ヶ所で催されてる

本殿横の建物2つと糺の森が会場で、まず建物に刺す光が印象的。そこに装飾品と生けられたお花が融和する。それがただ美しいこと。華道って自然を生活の中に取り入れていることなんだなと、今さらながら気が付く。花や蝶などをモチーフにした装飾品も同じ方向性なんだろう。枯れた草や葉と淡い色合いの花たちが水面に混在する姿は、生と死の一体のようにも思えた。天から滴る水滴が時間の存在も感じさせていた。

滴る水が時間を掌る
栄枯盛衰、もののあわれのようにも感じられた
和紙越しの淡い光りとレイアウトも素晴らしい

糺の森には人集りができていた。華道家の片桐氏が長靴履いて小川に入り花を生けていた。紙の上に点を打つような感じとでも言うか、自然の中に溶け込むのではなく、控えめかつ確かな存在感を放っていた。アリーナステージのように全方位から鑑賞される環境だけど、正面を意識しているのか質問したら、緩やかに考えている。けれど、全ての角度から見られることも意識している。実際に見まわしてみたら、角度によって違うのだけど、花を中心とした空間をつくっているんだなと、その時感じた。

長靴履いて小川の中で花を生けていた
糺の森の落ち葉でつくったそうだ
中は通り抜けられて天井がクリア。逆光の落ち葉のディテールが美しい

床の間から飛び出して活動の場を広げること自体カッコいいなぁ〜と思ったし、前に進んでいくためには必要なことでもあったんだろうなぁ〜と感じた。そういった活動をするアーティストだから、ハイブランドや世界遺産の神社とも繋がるんだなと。午後に撮影があったので、1時間位の滞在だったけれど、とても良い時間を過ごすことができた。願わくば、もう一度、違う光りで、みてみたい。

手直し完了、一応、ここが意識している正面

いいなと思ったら応援しよう!