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幼稚園・保育園選びで私が見るポイント

今回は、元保育士である私が、転勤族で子ども達を何度も転園させた経験をもとに、「園選びのポイント」を紹介したいと思います。
内容は保育園・幼稚園・子ども園に共通するものですので、保育園選び、幼稚園選びに迷われている方の参考にしていただけたら嬉しいです。


いい園とは?

ここで述べる「いい園」とは、
私が自分の子どもを入園させたいと思うかどうかを基準にしています。
完全に主観ではあるけれど、
私の保育理念は、
保育士や幼稚園教諭になるために学んだこと
国の示す保育指針・教育要領に沿った考えが基盤になっています。

いい園の条件2つ

私の考える「いい園」とは大きく2つあります

・安全、安心である
・子どもが楽しく通える

安心安全である

まず、保育園や幼稚園に通う乳幼児は
自分で自分の命を守ることが難しい年齢です。
そのため、子ども命をきちんと守ってくれる園であることは絶対条件です。最重要です。
そこで園選びの際は必ず園に足を運んで見学をすることをおすすめします。
安全で安心できる園であるかは
自分の肌感覚でチェックすることも重要だと思うからです。
そして、他の条件がどんなに良くても、安全面に少しでも不安を感じた場合は改善してもらえるのか、もしくはその園を選択しないという判断が必要だと考えます。

私はあるこども園に見学に行った際、まず園長先生から事務室で園の説明を受けました。具体的な説明を聞きながら「子どもの主体性を大事にする」「食育に力を入れている」点が気に入り、他にも家からの距離などの条件が揃っていたことから心の中では「この園にしようかな」と考えていました。
しかし、その後園内を園長先生の説明と共に案内してもらい、少しの違和感を覚えました。

(第1の違和感)
北風がビュービューと吹く非常に寒い日なのに、テラス(屋外)で裸足で遊んでいる子ども達、多くの子どもが鼻水を垂らしたまま遊んでいる。

(第2の違和感)
10分間程度の見学だったが、頭をぶつけた、転んだなどと言って冷やしたり、手当てをしたり、泣いたりする子どもを3名ほど目撃する。

(第3の違和感)
食育の一環で、クラス活動でも食べ物を育てたり調理したりしていると説明をうけた。実際に見学するとその日は、お正月についたお餅を小さく切って乾燥させ、保育室内で担任が餅を油で揚げて、揚がったあられ煎餅を子どもに配っていた。

私の違和感は別の角度から見ると裸足保育は推奨されていることであり、子どもは小さなけがをすることは当たり前であり、餅をついてそこからあられ煎餅にして食べる経験は忙しい家庭ではなかなかできない貴重な体験なのでいい保育をしている園だと思うことができます。
おそらく私も1つの違和感だけではこの園を選択しないという結論にはならなかったと思いますが、この3つの出来事を見て、安全への意識や配慮が不十分なのではないかと感じたため、その園への入園は諦めることにしました。

どんなにいい経験を提供してくれていても、その大前提には安全安心があり、そこに不安を感じるまま預けることはできないと思った出来事でした。

子どもが楽しく通える

これも重要です。子どもが楽しんでいなければ、登園のたびに「行きたくない」と泣かれたり、安心して預けることはできません。
平日の大半の時間を過ごすことになる園で楽しい気持ちでいてほしいと願うのは当然のことだと思います。

ここで見極めポイントは登園初日から笑顔で楽しく通える園という意味ではなく、園に慣れてきて、保育者や友達との関係ができたころ、園に楽しく通えるかどうかというポイントで判断するといいです。

入園当初は初めから喜んで通える子と、慣れるまで親と離れられず登園をしぶる子がいます。これは子どもの個人差が大きいので園選びはあまり関係ないように思います。

そのためには
・園での活動が子どもの好きなことができる時間であるかどうか
・保育者が信頼できるかどうか
が重要だと思います。

私は「遊び=学び」の考え方から
「自由あそび」がたくさん設定されている園を選んできました。
また保育者の子どもとの関わり方も見たかったので、
見学は保育活動中の時間を希望して行かせてもらっていました。

見学で見るべきポイント

では実際に見学に行った際、
どんな部分に注目して見るといいのか
私の経験を踏まえて具体例を挙げていきたいと思います。

絶対条件(安全・安心、子どもが楽しく)に関わるチェック項目

これは絶対条件なので、入園させるためにはこの条件は必須だと思い見学の際もチェックしました。

・保育室は安全・清潔に配慮されているか
・保育者が子どもを大切に思って接しているか
・園で遊ぶ子ども達が楽しそうに過ごしているか

・保育室は安全・清潔に配慮されているか
これに関しては全体的に掃除がされているかや、地震が起きた時の対策がされているかなどを見ていました。
耐震対策は監査で見られる項目なので認可園は必ず対策がとられていると思いますが、保育室の棚を見て、高い位置に重い荷物が置かれていて危なそうと思ったことは結構あります。そういった所で保育者の防災意識が分かるかもしれません。

・保育者が子どもを大切に思って接しているか
これは子どもを呼び捨てで呼んでいないか、命令口調だったり否定的な言葉を多く使っていないかなどを見ていました。

・園で遊ぶ子ども達が楽しそうに過ごしているか
在園している子ども達が気軽に保育者に話しかけていたり、笑顔で遊んでいるかを見ていました。

その他のいい園の特徴

他にもいい園に見られる特徴がいくつかあるので紹介したいと思います。これらは絶対条件ではなく、理想的な姿だと思うので加点方式で考えるといいと思います。

・保育者の年齢層が幅広い
保育者は知識だけでなく経験も大事だと思っています。
保育経験や自分の子どもの子育て経験を積んできた保育者は子どもの危険を察知する力に長けています。また発達に見通しをもっているので焦らず大らかに対応してくれる印象です。若手保育者も経験豊富な保育者と一緒に働くことで経験に基づくアドバイスをもらい保育方針を決めていくことができます。
また、若手保育者のメリットは子どもは”優しくて若い先生が好き”であることと活発な活動を多く取り入れてくれる傾向にあることだと思っています。
これは私の経験則にすぎませんが、子どもは正直なので見ていて一目瞭然です。(実習生が入ると子ども達は群がります。)若い保育者は体力があるのも本当です。年齢と経験を重ねた保育者は、活動内容も保守的になる印象です。
どちらにも良さがあるので園には様々な年齢層の保育者がいることが理想だと思います。また、保育者の雇用の面でもベテラン保育者の存在を大事に思い、長く働き続けられる労働環境が整っている園の方が信頼できると思います。

・園長先生と子どもの距離が近い園
事務室にこもって事務作業をこなす園長と保育現場に混ざって一緒に保育する園長の2パターンがいると思います。後者の園長は日々の保育をよく知っているので保育の問題や保育者の悩みなどにも真摯に寄り添ってくれる印象です。保育環境の改善や保育者の人員配置、より良い保育の充実などに尽力してくれるのも後者の方だと考えます。

たった数分の見学で園長先生のタイプの見極めは難しかもしれませんが、
見学に行った際、在園児の園長先生への態度を見ると結構分かります。
子どもとの距離が近い園長先生や子ども全員の名前を把握して会話する園長先生は後者の寄り添い型の園長先生のような気がします。

・きれいな声の保育者が多い園
私は保育士1年目に声を枯らしてガラガラ声になりました。それから喉を労り、大きな声を出さない保育方法を考えてきたのです。
子どもが騒いでいるから、それ以上の大きな声を出す必要が出てくるのです。子どもを惹きつけ、子どもが聞きたいと思う話をすれば子どもは静かに耳を傾けてくれるのです。
そのためには子どもとの信頼感と子どもが主体的に動ける環境が大事だと学びました。
その経験から「いい保育をする先生は大きな声を出さない(=きれいな声)」という自論ができあがっています。
※もともとハスキーボイスの方もいられるので、声だけで判断するのではなく、大きな声で指示や命令をして子ども達を動かそうとしていないかという本質の部分を見れたら一番いいと思います。

・図書や絵本棚が整っている、生き物を飼っている
保育者は日々のやらなくてはいけない業務に追われています。その中で忙しいと後回しにしがちなものが絵本の整理や生き物の世話だと思います。やってもやらなくてもいい仕事にも取り組める園は保育者の人員か仕事量か保育者の心のどこかに余裕があるはずです。見学に行って見ることができる部分なので意識して見てみるといいかもしれません。

・手作りおもちゃがある
手作りおもちゃは子どもの現状の興味や発達に合わせて作ることが多いです。手作りおもちゃを活用している園は子どもの興味や発達をよく理解してくれる園だと思います。

・絵カードなどで子どもが生活しやすい環境の工夫がされている
見通しをもちにくい子や言葉だけでは理解しにくい子は目で見て理解できる教材があると格段に生活しやすくなります。子どもの苦手を理解して対応してくれる園は子どものことをよく考えてくれる園だと思います。

最後に

まだまだあるような気がしますが、
色々な観点から理想の園を述べてみました。
頷ける点はあったでしょうか
これらはあくまで私の考えなので、
違った意見をもってもいいと思います。
いいと思ったところだけでも園選びの参考にしていただければと思います。

両親の心の余裕という意味では、
・登園が楽な園
・週5で給食を提供してくれる園
・金銭的負担の少ない園
なども大事なポイントだと思います。
全部の理想を叶える園を見つけるのは難しいと思うので、
自分の中の絶対条件と優先させたい事項を頭にいれて園見学に行って見るといいと思います。

子育て中のお父さんお母さんを応援する気持ちからこのような記事を書いてみました。読んでいただきありがとうございます。

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