きのくに子どもの村学園見学 妻目線
(この記事は2015年に書きました)
行ってきました、和歌山県。
夫が頑張ってアレンジした旅は、なぜか成田空港から飛行機で関空へ、そこからレンタカーという遠回りルートでした。
ですが、きのくに子どもの村学園は、素晴らしいところでした。
山の中をひたすらくねくね、ガードレールもない細い道をレンタカーで30分以上走り、やっと到着。
山も関東のそれとは雰囲気が違ってダイナミック。土砂崩れ大丈夫なんだろうかと心配になるくらい自然そのままの状態の山と森、みどりの沼。
学園に到着したとき窓からPCを操作するスタッフさんが見えて、そこまでの自然のすごさと目の前のITを操る若い人たちのギャップになんだか狐につままれたような気分になりました。
学園は、科目がなく、プロジェクトベースで授業が進みます。これは11月に見学に行った山梨の南アルプス校と同じ。
でもなんだか雰囲気は全然違うな、と感じました。
山のちからなのかな。
遠くまで見渡せる平野に慣れた私には随分新しく、刺激的な印象。子どもたちも、もっと土っぽいというか、自然と共にある雰囲気。
プロジェクトは、工務店、レストラン、劇団、などなど。
この日は工務店の子どもたちが縦割りで作業中。休み時間になっても夢中でノコギリで板を切っていました。4歳の長男、その風景にびっくり。
この学園では、子どもたちが自分たちで決めたテーマで自分たちのペースでプロジェクトが進みます。夫に言わせると、これこそが「未来に直結している学び方」だということらしい。
フィンランドも今後はこのやり方で行くという。でも和歌山にもう20年前からそれを実践している学校があったということが驚き。
学園長の堀さんと一時間以上もおしゃべりが出来てこれもとてもありがたかった。
堀さんは「本物」でした。嘘がない、ブレない、情熱があって信念がある。
「この学校のあり方を「特例」という措置にはしたくない、だってこれが本来の教育であるべきなのだから。」
と静かだけれどハッキリとおっしゃる。尊敬。
ああ、私もこういう先生に教えてもらいたかったなあ。
そしたら必要以上に横道にそれなかったかも(他責)。
子どもたちは、皆それぞれの個性がそのまま生かされているのがお喋りするとわかりました。個性を潰されずそのまま受け入れてもらっているから、皆が自信があって伸びやかなのです。
うちの子どもたちもこういう環境で過ごさせてあげたいな、と思いました。
この学園では、毎年子どもたちがイギリスに遠足/留学に行きます。自分たちでやることなどを決め、自分たちで企画する遠足。
対して日本の公立小学校で働く夫は、学校の遠足のためにその前準備として子どもたちが食べるアメを小分け袋に入れたりしていました。この違いにも衝撃。行き先を決めることはおろか、パンフレットも作ってあげる、バスの座席も決めてあげる、挙げ句の果てには「遠足のめあて」まで学校が決めています。子どもたちは完全にお客さん。
でも子どもたち、本当はきっと自分でちゃんと決められるのですよね。
きのくにの子どもたちのように話し合いをして、予算を計算し、やりたいこと、行きたい場所を絞って、ちゃんと実行出来る力を持っているんです。
その力を伸ばしてあげないのは大人たちであり、学校であり。
その理由は「話し合う時間がない」「揉め事の原因になる」「前例がない」など、いろいろなのでしょう。
でもこの理由、違和感です。