子どもに「短所」はないのに
幼稚園や児童館の最初の自己紹介で、
子どもの長所と短所は?
と聞かれることありませんか?
私は、一人の子どもを見る時に「長所と短所」という見方をしないので答えに困ってしまいます。
うちの長男は、物語などの登場人物に感情移入しすぎて辛くなってしまうので、映画も戦闘ものはもちろんジブリもほとんど見れないし、ドラえもんもダメです。
トイストーリーも登場キャラクターがトラックにひかれるところでダメ、トトロもメイが迷子になるシーンではメソメソしていました。
これを、女々しいと捉えるか。
それとも、繊細で情緒豊かと捉えるか。
子育てに正解はありません。
でも、やっぱりしない方がいいこと、はあると思います。その一つはきっと、子どもの性質を否定すること。
もし長男が母親である私に、
「ほんとに女々しいんだから。男らしくないなあ。」
と言われ続けたら?
「この子は本当に弱虫で困っちゃう」と人に言っているのを聞いて育ったら?
彼はいつまでも自分に自信を持てないまま大きくなるでしょう。
そして、母親の私にとってもそれはシンドイ育児になるでしょう。
だって育児中の母はみんな一生懸命なのです。そして、我が子の性質を「短所」として捉えた途端、「どうにかして直さなきゃ。それがこの子のためなんだ」と不要な心配にばかり目が行ってしまいます。
でも、直す必要なんかないんです。だってそれは長所でもあるんだから。
私は長男を、繊細で心が豊かで想像力が素晴らしいなあ、と見守る努力をしています。
ぜーんぶひっくるめて、その子の素晴らしい個性。世界で一番の味方のお母さんが、その子のいいところをたくさん見つけてくれなきゃ誰が見つけてくれるのでしょう。
幼稚園のイベントがあって、今日は一日幼稚園で過ごしました。
長所とか短所とかではなく、どの子も素晴らしい「その子らしさ」でいっぱいでした。
この個性をそのまま、まっすぐに育ててあげられたらいいなあ。
ものさしは一つではありません。というか、本来、ものさし自体が存在しないのですよね。