炊飯器でチョコレートケーキ ~CHAOS;CHILD(カオスチャイルド)考察(?)~
※本編を履修済みであることが前提の記事ですので、未プレイの方が読むことは御遠慮ください
小説にせよ漫画にせよゲームにせよアニメにせよドラマにせよ「二周目以降で気付くこと」というものが多々ある。
各所に隠された細かな伏線などはその最たる例だが、それ以外にも「これはもしかしてこういうことだったのかな」とふと感じる一瞬がある。
そんな一瞬が来栖乃々ルートを何回か読み直していた際に生じたので、その件についてちょっと書いてみたいと思う。
まずは来栖乃々ルートの一場面から引用した以下の画像を見ていただきたい。
青葉寮からボロアパートの一室へ引っ越してきて後のある日のシーンから、
まるで夫婦の会話である。
……いや違った、私が言いたかったのは「それ」ではなかった。
ここで重要なのは、彼らはいま家計が火の車であり、切り詰めた生活をしなければならない状況に置かれているという点である。家計を預かる乃々がそれこそ「たかがチョコ」ひとつにも過敏な反応を示してしまうほどに。
そのことを踏まえてさらに別の日の一場面を映した画像を御覧いただきたい、
……チョコひとつに目くじらを立てていたのが嘘のような奮発ぶりである。
初回時は束の間の平穏なひとときを噛みしめる気持ちが強すぎたせいか、あまり深掘りする余裕もなかったが、よくよく考えてみれば妙な話ではある。
なぜ急に乃々は上機嫌でケーキなど焼きだしたのだろうか?
そこで「直前に何かあっただろうか」とその前のシーンを振り返ってみる。
時は前日に遡り、場面は神成刑事に依頼していた尾上世莉架の調査結果を受け取った後へと移る、
……ああ! これかあっ!!
呼び方が「来栖」から「乃々」に戻ったことが、よっっっぽど嬉しかったのか! それこそケーキを焼いてお祝いしたくなるほどに。
もちろんそこには落ち込んでいる拓留を励まそうという意図もあったのかもしれないが……。
なお蛇足となるが来栖乃々関係で個人的にちょっと好きな場面もついでに。
火炎操作能力を持った女に拓留が襲われた後の七章での一場面、
ウキウキ気分で思わず廊下を走ってしまう乃々。さらに拓留が青葉寮に戻ってきた日の夕飯、
……それにしてもこの義姉、拓留のことが好き過ぎである。
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