210605 第5回講演及びトークセッションレポート その2
杉崎さんの講演後、杉崎さんと髙橋、菅原によるトークセッションが行われました。その一部を紹介します。
髙橋:今日はフェーズ2の初回にふさわしいお話をありがとうございました。調布市でも空き家を活用し、アクションを起こしたいという住民の方は増えてきています。ただ、小商いのようなことをしてみたくても、なかなかそういうチャンスがないという方も多いです。そういった方へのアドバイスはありますか?
杉崎:場所はあるはずなので、やはり、一歩踏み出す勇気でしょうか。あとは仲間と一緒に議論をして、アイデアを豊かにしていくことです。
ほかからの口出しを受けず、自分が思うようにやるということでもいいのですが、たとえば小商いを一人でやるとなると店番だけでも大変です。
いろいろな人と対話を重ねていくことで、アイデアも膨らんでいきます。異質な考えを持つ人を引き込んでいくことも必要だと思います。有志の集まりだと、どうしても似た者同士が集まってしまいますが、“一本釣り”してでも異質な人を引っ張ってくることで、議論も深まり、多様な考え方ができるようになると思います。
菅原:空き家活用で一棟を借りるとなるとなかなか大変で、五条のような「軒先を借りた出店」は小商いを始めるときのエントリーモデルにもなると感じました。ただ、それでもまずは所有者にアクセスする必要があって、所有者と使用者の関係がどうなっているのか教えてください。
杉崎:たしかに、「週末に使われていない軒先を貸してください」というだけの話なんですが、実際は大変なことです。いきなり「貸してください」とお願いしても、貸してはくれません。五条の場合は、まちづくりのメンバーに地元のいろいろな会社の総務担当者が入っていて、その会社の信頼で借りていっていました。一度借りて、実績を見せると、2回目以降は借りやすくなっていくのですが、最初に突破していくときは大変です。
あとは地域の不動産屋さんとか、地元をよく知るところとのネットワークができることで一気に解決することもあります。
また、ある程度人が集まる場所になっていくと、ビジネスとして数棟まとめて借りて、サブリースとして小商い向けに貸し出すというようなケースも出てきました。
髙橋:借りた後のランニングコストのことなども、このフェーズ2ではお伝えしていこうと考えています。
杉崎:コミュニティカフェを開くとしても、実際はコーヒーを提供するだけでは場所の維持はできません。横浜では、先行事例で蓄積されたノウハウから、アドバイスをしたりしています。コミュニティカフェならやはりランチメニューで収益を出す、というようなノウハウです。ただ、何をするにも、そこで「何がやりたいのか」という根っこがしっかりしていないと、がんばりきれないと思います。
杉崎さん、ありがとうございました!