【干支水滴 卯】の道行#6「つんだってく」
こんにちは。上出惠悟です。
39歳から40歳になった時に比べると呆気なく41歳になった感じがしています。日々に忙殺されているだけかも知れませんが、あれよあれよと言う間に時間が過ぎていく中で先日私は一つ歳をとりました。感慨深さを感じることはそれ程ありませんでしたが、ひと時を窯の皆や仲間たちに祝ってもらいました。感謝です。
ところで個人の誕生日を祝うという文化は戦後になってからのことだそうです。昔の日本は「数え年」で年齢を計算していたので、年に一度お正月を迎える度に国民全員で一つ歳をとりました。そう思うと日本は外国に比べて、お正月を盛大に祝う感覚が理解できます。年の暮れには大掃除をしてお正月を迎え、家族や親戚が集まって恭しくご挨拶、初詣に行き、お節料理を食べて新たな一年の無事を祈る。一年の節目でありながら国民全員の人生の節目、かつての元旦は全てが新しく誕生する日だった訳ですね。
「満年齢」で歳を数える現代の私たちには、その大きさが真に理解できないので、残念ながらその他の行事と同様に少しずつ廃れていくのでしょう。冷たい言い方になりますが、形骸化する文化に付き合う程、私たちは暇ではないですし熱は冷めていくものです。これは文化の保護や発展を考える時に大切な視点です。伝統工芸を残さなければと頭で理解していても、自分の生活に必要のないものや、面白いと感じなければ身体は動かないのです。
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