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【干支水滴 卯】の道行#11「もう一つのゴール」

こんにちは。上出惠悟です。

寒い季節になると週の半分以上は着ているスウェットがあります。「世界一、正統なスウェットシャツ」という高い志を掲げ、「吊り編み機」という今は殆ど稼働していない古い編み機から生まれる「LOOPWHEELER」のスウェットです。代表の鈴木諭さんと初めてお会いしたのは2019年の春だったと思いますが、私はそれまでスウェットやジャージ、そしてスニーカーはスポーツマンが身に着けるものだと思っており、スポーツとは縁遠い私が着るとどこか落ち着かなさがあって仕方なかったのです。

LOOPWHEELERのスウェット  ©LOOPWHEELER

そんな私がLOOPWHEELERと出会ってスウェットを堂々と着て街を歩けるようになったのは、第一にはその着心地の良さと丈夫さがありますが、鈴木さんのものづくりへの強い想いとその経営に大きな共感と尊敬があるからです。ファッション通に愛されながらセールを実施せず、日本の技術を守る稀有なブランドなのです。吊り編み機は現代では非効率とされる1時間に1mしか編むことができませんが、作られる生地はふかふかでとっても上等なのです。今では色んなブランドが上質なスウェットを発表していますが、鈴木さんはこの旧来の吊り編み機にいち早く注目し1999年にブランドを立ち上げられました。

吊り編み機  ©LOOPWHEELER

茶筒を作り続ける開化堂の八木さんもそうですが、スウェットに特化したブランドを継続するにはきっと深い知恵と工夫があることと思います。しかも世界一、丈夫で型崩れしないスウェット、そして普通に考えれば夏にはその需要は減るように思われます。

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