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うそをつく大阪人

テレビで「変な大阪人」をよく見る。その影響か、大阪人と大阪人以外(主に東日本の人達)との会話を横で聞いていると、たいてい出くわすのがこういう会話だ。

非大阪「大阪の人って〇〇なんだよね。」
大阪「そうそう、そうやねん、〇〇やねん、びっくるするやろー。」
非大阪「えーやっぱりそうなんだ。」

この〇〇には例えば「たこ焼き器がどの家庭にも絶対にある」とか「ピストルで撃つ真似をしたら必ず倒れる」とか「お好み焼きとご飯を必ず一緒に食べる」とか「阪神タイガースが勝った日は必ず誰かが道頓堀に飛び込む」とか、そういう”ありがちだけどにわかには信じづらい”大阪のイメージが入る。

非大阪人には申し訳ないが、これは全てが正しいわけではない。大阪人のDNAが大昔から連綿と受け継ぐ悪い癖は、「その場のサービス精神を優先して真偽を重要視しない」ことだ。

友人との会話であろうが、テレビのインタビューであろうが、期待されるとつい、「そうそう、そうやねん」と言ってしまう大阪人。それは相手を騙そうとしているわけでも、バカにしているわけでもない。一途に「その場を楽しくしたい」「喜んで欲しい」「笑って欲しい」という気持ちを優先するが故の行為である。

そして彼らはその会話が盛り上がり、笑いのうちに終わった時、ふと我に返って真実を誠実に語りきれなかった自分への罪悪感と、体内に流れる大阪人の血にやるせなさを感じつつ、去り際に聞こえるか聞こえないかわからない声でこうつぶやくんである。

「しらんけどな・・・」


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