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弱い紐帯の強み

マーク・グラノヴェッターという社会学者の論文に「弱い紐帯(ちゅうたい)の強み”The strength of weak ties” 」という有名なものがある。僕が初めてこの言葉を知ったのは、Tumblrから流れてきたあるベンチャー企業の社長のブログだった。幸いなことにその人はまだ事業を続けていて、ブログも残してくれているので、まだその記事が読める。とても熱く面白い記事なので是非オススメしたい。この人が望んだTwitterは、もう戻ってこないかもしれないけど。

Weak tiesとTwitter
http://yanotakashi.com/archives/180

その後また別の機会にこの言葉に出会う機会があって、本格的にマーク・グラノヴェッターを始め社会学の基礎を勉強する事になったのだが、本家の”The strength of weak ties”は人的ネットワークと情報伝達モデルについての論説であり、社会における絆や感情統合体としての社会という切り口のものではなかった。

ただそれでも僕が『弱い紐帯の強み』という言葉に魅力を感じ続けたのは、まさに僕自身が、コミュニケーションネットワークにおける「weak ties」であると自覚したからだった。器用貧乏で、知識は概ね広く浅く、一つのコミュニティに根を張る事のできなかった僕にとって、集団間の情報を橋渡しする役割を強く承認されたような気がしたからだ。

元々人付き合いが苦手で、出不精の僕が、それでも色々な場所へ出かけ、色々な人に会おうとするのは、どこかでそういった情報や人格の混合による強烈な化学反応の楽しさを期待しているのかもしれない。

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