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誰も知らないヌーの大移動

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2020年から始めたヌーの取材で大移動に異変が起きていることが分かってきました。特にコロナ前とは状況がかなり違います。予測が難しいヌーの大移動ですが、ヌーはちゃんと理由があって大…
ヌーの大移動の取材裏話を軸に、以下の内容も織り込んでいます。 ・ヌーの大移動の異変、5つの原因 ・…
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#アフリカ旅行

第3話  谷底で起きている事

▶ナクル湖の異変 今回はナクル湖のフラミンゴの話になります。もちろんヌーの大移動に関わる話。 どうぶつ達の命は様々な形で繋がっていて、ヌーの大移動を知るには遠く離れたナクル湖の事も無視できないのです。 2013年頃からナクル湖の水位が上昇しているという問題が起きていました。 ナクル湖には流出河川が無いため湖水は増え続け、その後徐々にナクル湖国立公園を呑み込んでいきました。 水が増え続けたため浅瀬は深くなり、湖水のアルカリ性は薄められ、アルカリ湖に繁殖する藻類や甲殻類は数を

第5話  セレンゲティNP北部へ 2022年8月下旬

▶マサイマラは大混雑 ヌーの大移動に異変が起きている⁉ ――と気が付いた2021年のケニア取材。

第6話  セレンゲティNP北部へ 2022年8月下旬②

▶秘境のキャンプサイト 北部に到着早々バッファローに威嚇され(第4話参照)、この辺りはマサイマラやセロネラとはちょっと違うぞと実感。サファリカーとはほとんどすれ違わずキャンプサイトも閑古鳥。秘境に来られた嬉しさの反面、淋しさも感じます。キャンプサイトはシマウマやヌー、時にはバッファローも姿を現わす自然豊かな環境でした。 90年代のサファリを思い出すなぁ。久々にキャンプらしいキャンプの楽しさが味わえる夜です♪ 「夜は危ないから、トイレに行きたくなったらテントのそばで済ませてね

第7話  セレンゲティNP北部マラ川 2022年8月下旬

(第6話からの続き) ▶「雨が降ったらマラ川には行かないよ」 セレンゲティの北部、ロボまでやってきてテントを張り、いよいよ明日マラ川へ!そこでドライバ―さんの一言です↑ 「雨が降ったらマラ川には行かないよ」 え?―――Σ( °ω° ) ///// 何それ。マラ川でヌーの川渡りを見るために、こんな北の果てを目指して来たのに。 ドライバ―さんの話では、ロボのキャンプサイトからマラ川まで車で2時間半。こんな北の果てまで来る観光客はほとんどいないから、雨で車がスタックしても助けてく

第8話  ヌーの川渡りの王道 マサイマラ再び 2022年9月中旬

▶マサイマラのヌーの異変 セレンゲティNP北部でヌーの川渡りを見た後、ケニアに移動。今度はマサイマラNRで川渡りを狙います。 マサイマラNRなら何度も経験はあるし、3泊もするので川渡りは多分見られるでしょう。マラは王道ですよ♪ ただしセレンゲティNPに先に訪れていたので、到着は9月中旬となっていました。実は近年ヌーがマサイマラに滞在する期間が短くなっているので、すでにヌーの数は減っているかもしれません。

第10話  ヌーの大移動って思っているほど単純じゃない!2022年、2023年2月

▶ヌーはンドゥトゥで一斉に出産 前回からの続きです。 ヌーの大軍団は北のマラ川からセレンゲティの南(ンドゥトゥ地区)まで大移動してきて、一斉に出産します。 その理由について、 「草が豊かな雨季に産む」 と説明されていますが、北のマサイマラにだって雨は降るのだから、北で赤ちゃんを産んだっていいのに。 なぜか、必ずこの時期に南まで戻ってきて、そしてここで一斉に産むのです。 ▶なぜンドゥトゥで出産するの?