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秋刀魚が松茸になる日

初物の秋刀魚を塩焼きでいただきました。

去年は細いうえに高くて買えなかったから、2年ぶりです。今回の秋刀魚は昨年のよりは少し大きめで、お値段も3尾で500円くらいだったので許容範囲です。
新鮮でおいしかったです。大根おろしを添えて、頭と骨だけになるまで丁寧に食べきりました。私はお腹のわたまで食べる派です。

ただ、数年前まで食べていた秋刀魚に比べたらやっぱり細いし、脂の乗りも今ひとつ。
もうこの先、丸々むっちりと太った秋刀魚が1尾80円なんてことはないんだろうなぁ、と少々さびしく思いながら、貴重な秋の味をかみしめたのでした。

温暖化のせいなのか乱獲のせいなのかわかりませんが、慣れ親しんだ味が思い出のものとなってしまうことは、この先増えていくのでしょう。

80代の私の母によると、昔は松茸が安くて、すき焼きのかさ増しに使ったりしていたそうです。今では考えられないことですね。
庶民の味方だった秋刀魚も、松茸みたいに手が届かなくなる日がくるのでしょうか。
私も30年後に「昔はね、鰻の代わりに秋刀魚の蒲焼き丼を作ったりしたものよ」なんて話をするのかもしれません。その頃には鰻もいなくなっていて、まったく話が通じなかったりして。

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みんなのフォトギャラリーから、ひとつ葉さんのイラストをお借りしました。

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