旅行日記 弘前探訪 その一
日々暮らしているうち、何かやり残していることがあるように思えて、それらをクリアにすべく今回の旅は設定された。
社員ならばひんしゅくをかうところであったかもしれない。
仕事に関して今年の夏は8月11日から8月18日まで、なんと8連休をむしりとったのである。
一人旅というものを、先に挙げたような「クリアすべきもの」と意識した最初は、一昨年だったか伊勢神宮旅行を一泊二日で敢行したことだったと思う。
あれはとても良かった。意思を持って、生涯一度は行ってみたい、今行かないでいつ行くのだと決意して旅立った。
楽しいことだけでなく、ああ~新幹線は座れず辛かったなあ、おいしいものにもありつけなかったな、などというところまで含め、本当に良い旅であった。
そして、あじをしめたのだ。
一人旅はいいものだ。
潤いと安らぎである。
今回は弘前。
実は以前も弘前旅行一人旅を画策した。
これは一人旅には到らなかった。
母親との予期せぬ珍道中となりそれはそれで非常に思い出に残る仕合わせな旅となったが、やはり一人旅をやりたい気持は失せず今回晴れてリベンジに到ったというわけである。
ライブで過去に数回弘前や青森に訪れたことがあったのだが、今回は実家から車で行ってみようと思い立った。
ググると3時間ほどで着くらしいじゃないか。
いざゆかん。
車のいいところは荷物をいくら増やしたっていいことだ。
そして時間を気にしなくていいところ。
7:30 母親の軽自動車を借り、隣町でガソリンを満タンにして出発!
大潟村の道路を走る。
ビックリしたのはそのまっすぐな道路。
干拓した上に人工的に道を通したのだからわけはない。
しかしスマホのナビの指し示すところ「14キロ先右折です」などと言って、埼玉の街乗りになれている身分としては閉口せざるを得ない。
ただ、冗談キツいぜくらいならまだかわいいものだということを、このときはまだ知るよしもなかった。
最終的には「40キロ先左折です」という表示が来たんだからたまったもんじゃない。
そう、国道7号線でちんたら行こう~と思っていたのに、なんとまあ立派な道路ができていたものでしょう。
行く手には自動車専用道路なるものが、時速70~80キロ指定で御座すのだった。
私は青くなった。
下道予定だったので、空気圧も確認していない。
ほぼ高速道路みたいなこの道を、、、いくしかないのだった。なぜなら、それは自動車専用道路だから。
信号もない、なんならパーキングエリアもない。
その道、戻ること能わず。
Uターンまかりならぬ道路に、わたしは踏み込んでしまったのだ。
秋田の高速道路は八竜までで、以北は無料で利用できる。
そんならはやくいってくれよぉ!と叫んだところで後の祭りである。
冷や汗をかきかき、なんならじゃっかん後ろから煽られながらやっとこさ大館北ICで下道へ開放されたのだった。
そこは釈迦内。
地獄に仏って、これより他の言葉あるかって。
あとはうれし泣きむせびながら、景色を楽しむ余裕もできて、ああードライブってこうでなくっちゃとゴールまで行くことができた。
折しも台風が迫っており、立ちこめる暗雲はさながら竜のよう。
けれども遠くには日が差していて、実に美しい景色だった。
そう、ナビ設定のゴールは実家を出発したときから岩木山神社に設定。
無事到着の運びとなったのだった。
つづく