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【業界研究】大手総合ファームのタイトルと報酬水準を比べてみた!(2021年6月版)後編

どうも、外資系うさぎのちょこさんです。

実は前編の投稿から1ヶ月近く空いてしまったのですが、ようやく後編を出すことができました。

お待たせいたしました。お待たせし過ぎたかもしれません。

いやー、ちょこさん最近、担当する案件が増えまして。
知ってます?プロジェクトって増えるんですよ。
特に、光にあてたり、水に濡らしたり、夜12時以降に食べ物を与えたりするとものすごい勢いで増えるので要注意です。

そんなわけで今はちょっと本業で手一杯な感じですが、noteもちゃんと書いていきますのでご安心ください。


さて、前編では主要総合ファームのタイトルやプロモーションに必要な年数の比較を行いました。

いよいよ後編では、みんな大好きお金の話をしていきたいと思います。

最初にひとつ、ちょこさんとのお約束です。
ちょこさんは別に大手ファームのスタンプラリーをやったりBig4のグランドスラムを達成していたり各社人事と裏で繋がっていたりしているわけではないので、このnoteでまとめている情報は全て公開上の情報や口コミをベースとした独自調査の結果となります。

そのあたりふまえたうえでご覧ください。


で、本編入る前に前編と全く同じコピペです。
この記事も有料設定していますが、全文無料で読むことができます。もしいいねと思っていただけた場合は、ちょこさんの大好物のおいしいチョコレートを一粒調達するための費用としてカンパいただけると大変うれしいです。

今回下調べが結構たいへんだったので、ぜひともチョコレート代のご支援をいただけると大変うれしいです。
大事なことなので2回言いました。


では、ようやくですが、本編をどうぞ。



◆そもそもコンサルのお給料ってどんな感じなの?

よく外資系って年俸制だから…みたいな話や、あのファームは年俸制なので…って話聞いたりしますよね。

そういう話って、年俸制なので残業代や諸手当は一切支払われないとか、パフォーマンスによっては年俸が下がることもある、って意図を含んで行われてるんじゃないかと思います。

最初に言っておくと、それらは全部誤りです。

まずはWikipedia先生に年俸制とはなんなのか教えてもらうことにしましょう。

日本では「評価(実力)が給与に繋がる」というイメージや報道から、主にプロ野球選手やJリーグ等プロフェッショナルスポーツの選手が受け取る報酬を指すことが多い。

元々は事業報酬としての支払形態の一種として見られるものであったが、近年、年俸制の一般企業が増えつつある。特にバブル崩壊後に見受けられるようになり、時間外割増賃金は(含まれているので)支払わなくてよいといった解釈が定着しているが、誤りである。
(略)
このため、取扱いは通常の月給制とたいして変わらず、年俸制を取る理由は感覚的なものである。

年俸制であっても雇用契約による場合、労働基準法が適用され、年一括払いは認められず、月1回以上の支払が要求される。このため契約により、総額を12分割、または賞与込みの14もしくは16分割等にして、月々に支払われる。

出典:Wikipedia(年俸)

というわけで、いくら"弊社は年俸制です"と言い張るファームがあったとしても、従業員として雇用関係を結んでいる場合は、通常の企業と同じようなお給料体系となります。
要は、共同経営者としてのパートナー以外はお給料の仕組み的には普通のサラリーマンである、ということです。


当たり前ですが、日本の労働基準法が適用されるので、突然クビになったり、降格したり、お給料が下がったり、ということも原則なし、です。
なぜわざわざ原則と書いたかというと、日本の労働基準法を遵守しつつクビにしたり、降格させたり、お給料を下げたりすることは可能だからです。

このあたり気になる各位は"労働条件の不利益変更"あたりのワードでぐぐってみるとちょっと詳しくなれます。

ひとつだけ要注意事項として、タイトルがあがればあがるほど、報酬総額に占める賞与の割合が高くなるケースが多いです。
賞与は基本給と違って会社の裁量で支給額を自由に決定できるので、業績やパフォーマンス次第で賞与額はそれこそゼロから数百万の間で変動することもあります。

そういう意味では、低評価がついて賞与額が大きく下がった場合は報酬総額は前年を下回ることあります。


◆残業代って出るの?あと、”みなし残業”って何?

これもよく話題にあがりますよね。
残業代は普通に出ます。制度上は。
あと、このみなし残業手当のおかげで擬似的な年俸制が実現できていると言ってもよいと思います。

みなし残業は、コンサル以外の会社でもよくある制度だと思いますが、一言でいうと"毎月○○時間は残業が発生するだろうから○○時間分の残業代は毎月固定で支給するね"って制度です。
もちろん、その月の残業時間がゼロでも○○時間分の残業代はちゃんと支給されます。
天国ですね。

ここもよく誤解されがちなポイントなのですが、予め取り決められた○○時間を超過して残業した場合、その分の残業代ももらえるのが当然です。
制度上は。

なんか多いんですよね、みなし残業50時間の会社で49.5時間キッチリで働いてるスタッフって…。

というのは置いといて、ちょこさんがいるファームでも、同業のフレンズから聞いた話でも、最近はそのあたりかなり改善されていて、働いた分は普通にチャージしているケースが多いようです。

もちろん、36協定とかあるので、それに抵触するような稼働はそもそもさせないって謳っているファームも多いです。
2015年の某D通社の事件以来、このあたりの感覚が明らかに変わってきていると思います。

今のスタッフクラスは労働環境がかなり改善されている反面、マネ、シニマネクラスは昔ながらのゴリゴリコンサルパートナーたちのもと、いろいろなしわ寄せが来ているってのは各方面から聞こえてきますね。


ちょこさんはマネージャなので当然残業代はでないですが、残業時間としてはほぼゼロの月もあれば、タイムゾーンの関係とかで夜にコールに出ないといけない日が続いたりもあります。
トータルで考えると、30-50時間/月くらいの残業が平均じゃないかなーって感じですね。


◆比較をするうえでの注意点

前置きが長くなりましたけど、各ファームのお給料を比較するときは、表面的な金額だけでなく、
・みなし残業の有無とその時間数
・報酬総額に占める賞与の割合
・賞与のレンジ、支給回数
・各種手当
・各種年金
・プロモーションの速度
などなど総合的に考えることが重要です。

あと、各ファームでタイトルの構造は微妙に違えど、同じくらいのTierのファームであれば同じくらいのタイトルの総報酬水準もだいたい同じくらいになります。

なので、相場から明らかに外れるような報酬を提示してくるようなファームには何か裏があるなと思っておいた方がよいです。
加えて、高い報酬で入るとその分最初の期待値も上がるので、それに応えるのも大変です。

だいたいの相場は↓のあたりからご確認ください。


◆みんな知りたい各ファームのお給料はこちら

ようやく本編の本編ですが、ちょこさんが必死になって調べた各ファームのお給料レンジ一覧がこちらです。

前提として
・初任給や諸制度などは各ファームの採用ページなどから
・賞与レンジや各タイトルの給与テーブルは複数の口コミやちょこさんネットワークから
・賞与や諸手当を含めた理論上の年収レンジを記載
という感じで作っています。

もちろん、これらのレンジから外れる事例はあるでしょうが、だいたい各社このくらい貰ってる人がいることにはいる、くらいに思っておくくらいでちょうどいいと思います。

- Big4版

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5年くらい前までは デロイト > PwC > KPMG > EY という給与水準の序列がなんとなく共通認識だったり、KPMGがコンサル拡大し始めてなかなか良いお給料で引き抜きやってたり、EYの霊圧が低かったりしていた記憶があります。

今時点だと、PwCが結構お給料増強してたり総報酬に占める賞与割合が高めだったり、EYが例のドラゴンで全体的に報酬水準上げにかかってきた結果、ファーム間の報酬水準の差は縮まってきているようですね。

とはいえ、デロイトが頭一つ抜けて高いという状況は変わらずのようです。
各タイトルのレンジ最小値を見ても、デロイトはやはり他のファームより高めです。
そして、最近目立った施策が見えてこないKPMGが相対的に控えめなイメージになってきています。

図中でデロイトとPwCのマネージャのお給料がやたら高く見えるのは、業績賞与を最大値に近い額貰った場合それくらいは到達するって感じですね。
いいですね、マネージャで年収1,500万円に手が届くかもしれない。
実に夢がある話です。

そうそう、これは細かいところまで確認が取れなかったのですが、これまでプロモーション(昇進)のタイミングは年1固定だったものの、最近は年2回のチャンスになった、という声も複数ファームから聞こえてきます。

その他の特徴的なところとしてはこんな感じですかね。

・Big4は所定労働時間が7時間/日
・みなし残業が80H(デロイト)~25H(KPMG)と差が大きい
・賞与レンジも最大50%(デロイト、PwC)~10%(KPMG)と差が大きい
・PwCだけ固定賞与なしの業績賞与一発勝負(最近は業績良くて決算賞与的なの出てるみたいですね)
・監査法人系なので公認会計士企業年金基金に加入している(図中では言及なし)
・監査法人系なので株取引は原則NG(これも言及なし)


- Big4以外版

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つづいて、チュア、ベイカレ、アビームです。

Big4同士の比較と比べると、各ファームそれぞれ異なった特徴を持っていると言えそうですね。
※アビームのレンジが結構綺麗だなって思いました。

まず、チュアのレンジが結構いびつです。
これは、チュアには昇進スピードや給与レンジの異なる複数のキャリアトラックがある(コンサル、テクノロジー、SEなど)ためです。
戦略部隊は今回の集計に入れていませんが、概ねこのレンジの上の方かそこから更に10%-20%高い水準のようですね。

ベイカレもレンジが広いですが、これも新卒のコンサル採用/SE採用の差や、中途で戦略ファームや競合の大手ファームから高値で優秀なリソースを引き抜いているため、給与レンジがあるのかないのかよくわからない状態になっているからですね。
ちなみに、新卒350万~600万ってすごい差がありますけど、本当に採用ページにそう書いてあるんですよね…。

アビームは堅実です。
地味に報酬水準も上げているようとのことで、今では他の大手総合ファームと遜色ないレベルになった印象ですね。
ただ、前回のnoteで取り上げたようにプロモーション速度も堅実です。

こちらもその他の特徴をまとめてみましょう。

・Big4と異なり各ファーム所定労働時間が8時間/日
・みなし残業はない
・賞与レンジもBig4(特にDとP)比べて狭い = ベースで稼ぐ
・チュアとアビームは実は公認会計士企業年金基金に加入している(出自が会計系のため)
・チュアには従業員株式購入プランがある
・株取引の制限は当然なし


- 各ファームの賞与支給時期などのまとめ

前回のnoteでも図だけ載せましたけど、今回調査した各ファームの昇進昇格、賞与、決算のタイミングについてもまとめてみました。
ちょこさんが取れる情報には限りがあるので、必ずしもこれが全部正しいというわけでもないですが、何かのご参考にどうぞ。

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こうやって見ると、賞与が年1かつ賞与レンジの上下差が大きいPwCってなかなかおもしろい給与体系だなって思いましたね。

というわけで、今月たっぷり賞与を貰えるPwCの各位、ぜひちょこさんにチョコレートをご馳走してください。
あと見事昇進された各位、お祝いのおすそ分けとしてチョコレートをお待ちしております。


◆今回のまとめ

というわけで、前後編としてお届けした各ファームのタイトルと報酬水準の比較でした。

こういうまとめを作っておいてアレなのですが、やっぱりちょこさん的にはTierが同じファームであればタイトルや経験年数に関わらず、同じようなパフォーマンスのヒトは同じような報酬に収束するって思うんですよね。

コンサルファームの給与ってタイトルごとの給与レンジが細かく存在していて、タイトルが決まれば自動的に貰える金額が決まるんですよね。
で、2,3年もやってれば、オファーが出たタイトルが実力に見合っていたかは明確に分かってきます。
まぁ、実力に見合っていなかったらそれはそれでそういう対応になるのですが、数年にわたって実力に見合わないタイトルで実力に見合わないお給料をもらい続けるような事例はまずないと思っていて大丈夫です。

表面的なタイトルや報酬水準だけにとらわれることなく、コンサルタントとしてどのようなバリューを出していけるかにこだわって成果を上げていけば自ずとタイトルや報酬はついてくるものだとちょこさんは思います。


◆オススメの1冊

ちょこさん最近この漫画とても気に入っててtwitterでよく貼ってるんですけど、自分の目の前のお仕事に対する取り組み方を見つめ直すきっかけになるようなお話なんですよ。


まぁ、ちょこさん的には主人公のエレンパートじゃなくて、広告代理店の各位がお仕事について熱く語っているシーンの方が好きなんですけどね。

何ていうか、クリエイティブなお仕事もコンサルのお仕事にも通じる考え方してるんだなぁ、って意外な発見でした。

↑のツイートを見て気になった各位、ぜひ読んでみてください!


そんな感じで、今回も長いnoteをお読みいただきありがとうございました!
次こそは軽めのテーマにしたいと毎回思っています。
さて、何を書こうかな…。

あ、そうそう、今月たっぷり賞与もらったPwCの各位以外の各位も、このnoteが有益だと思われましたらぜひチョコレート代のご支援をポチッとよろしくおねがいします!

ではまた次回!


今後も取り上げてほしいトピックやご意見ご感想などありましたら是非コメントなどお寄せください。

質問箱もどうぞ。

https://mond.how/ja/choconejito


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