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今、このコロナ禍で家族を在宅介護されている、あなたへ      良橋海凪

今、誰もが閉塞感を感じストレスにさらされています。不要不急の外出を自粛してくださいと何度もテレビで呼びかけられる内に、心も内向きになっていくようです。こんな中で元々外出がし難い介護者の心を思うと、何かを呼びかけたい気持ちになるのです。在宅介護をする上で、最もストレス解消になるのは介護対象者から離れての外出、それも遠くへ行けば行くほどストレス解消度は上がります。日常から物理的にも遠く離れることが重要と思われますが、今それは難しいことです。

未来に希望を持てず、眠る時間を取れず、金銭的にも困窮しているのが多くの在宅介護者の姿ではないでしょうか?かつての私がそうだったように。そして、コロナ禍においては、たまの”娯楽”は消え果てているわけです。何かこう、”娯楽”というと、けしからんもの、妻・受験生・介護者ならば求めてはいけないものの様なイメージが残っていますね。実際にそのように人が干渉する場合があります。

なので、介護者が対象介護者を施設に数日短期入所してもらい、遠出をして外食する程度の娯楽であっても、ごくたまにしか出来なかったりします。(いや、遠出なんてしたこ事ないぞ!という声が聞こえてきそうですが。)特に男性が介護をする場合は、休みを取らずに対象介護者に向き合う事が多いです。睡眠不足で希望を持てず自由になるお金も無く娯楽無し、身体はといえば腰痛・頭痛・膝痛で満身創痍!これは、人間らしい生活ですか? 「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、在宅介護者の生活は最低限度の域に達していないと思われるのです。

私は17年に渡った在宅介護が終わり、母を特養老人ホームに預けることができ、その後介護職でのべ8年働きました。様々な利用者・入居者がおり、この人を一日中在宅でみるのは無理だな、仕事で向き合うからできるのだと思うことは良くありました。入居者からの暴言・セクハラ・暴力は、私が勤め先を辞める理由の内のひとつになり得ましたが、在宅介護でセクハラ・DVを受けている親族は逃げようがありません。

今、TVをつければ感染者数・死者数の話で気が滅入ります、しかしワクチン接種の話は一年前には無かったわけですから、今終息に近づいていると考えたいです。

私は在宅介護自体が良くないことで、施設介護が最良だと断定しているわけではありません。ただ、不測の事態を考え(介護者の身体が、介護不能に陥ること)複数個所の施設に入所申し込みをしておくべきです。”入所申し込み”をする事さえ、裏切りのような申し訳ないような気持ちになるので、多くの人が不測の事態に陥ってから慌てることになるのです。私がそうでした。

介護を一人で抱え込まないで下さい。対象介護者の施設入所申し込みを思い切ってやってみてください。現在、面会が制限されている所がほとんどですが、私が直近まで勤めていた施設は空きが出れば入所者受け入れを続けていました。優しくて責任感が強い人ほど自分さえ頑張ればと無理を重ねます。思い切って休息をとりましょう!





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