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映画:ヤクザと家族 The Family

 この映画は任侠モノであり、脚本と監督を藤井道人が担当した作品となる。主人公は綾野剛である。ヤクザが殴りあったり、麻薬を吸って堕落するだけではない珍しい映画と聞いて見始めた。

 前半は主人公が極道の道に入り、シノギに努めたり恋愛をしたりする話である。後半は前半から15年経った後、環境が変わりヤクザである主人公にとって生活することが困難になっていく話がされている。

オススメポイント

任侠映画の世界観

 まず、任侠映画としての世界観がとてもよかった。男同士の話し合いや、殴り合いの緊張感が好きな人は少なくないだろう。任侠映画でよくあるケジメの付け方や、組み同士のいざこざもしっかりと描写してあるため、そういったところも楽しむことができる一つである。また、主人公がヤクザに入るときに考えていることや、殺したい程憎い相手に対する対処などを追っていくだけでも面白いものとなっている。この映画では相手を傷つける動機が明確に示されていたため、争いごとに発展する話の流れが綺麗でありとても見やすかった。

血の繋がらない家族の繋がり

 今回の映画では題名でもあるように家族の存在が大切であると感じた。主人公が所属している柴咲組では組長の事を父親のように扱い、組員は子供のような扱いがされていた。組員同士も兄弟のような存在であり、血は繋がっていないもののお互いが家族のような存在となっていた。この描写は同じ組のメンバーが死にそうになるときや殺されたときにはっきりと示されていた。後世に残す人を危険な責任から逃れさせたり、身内が殺されたらその仇を討ったりする行為を、家族の繋がりと結びつけて表現されていたように思う。特に前半はその描写が強かったように感じる。一方で、本当に血が繋がっていたり、契約として家族になっているものの描写もあった。この二つの対比に着目して見ても面白いだろう。

綾野剛

 この映画の主人公を演じる綾野剛を目当てに見ても良いだろう。任侠映画にとてもあっている役者であるといつも感じる。怒鳴っている姿、泣いている姿、苦しんでいる姿がとてもよい。個人的には眉間の皺の寄り方がいいと思うのだけど、どれだけの人に共感されるかはわからない。また主人公に好きな人ができ、その人に対してアプローチをしていく不器用な姿も良かった。不器用なりに頑張っていたり、空回りをしていたりする姿を綾野剛が演じているというだけでもこの映画を観て良かったと感じることができるほどだ。綾野剛が好きな人は是非観て欲しい。

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モンモランシーの通り
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