オーロラに会うためにひとりアラスカへ
「オーロラ」を見てみたい。
理由としてはこれで十分だろう。
日本でさえ寒さの厳しい2月、4泊6日という限られたスケジュールであったが、オーロラに出会うために一人でアラスカへと旅立った。
滞在期間中の天気は良好だった。
町中に積もっている砂のようにサラサラとした雪。
摂氏マイナス40度を超え、寒さを通り越して痛みさえ感じる北国の夜。
人工の光がないアラスカの山で見た夜空は、手を伸ばせば星をつかめそうなほどに美しい。
日本の東京にはない出来事をいくつも体験した。
しかし肝心のオーロラはほとんど見ることが出来なかった。太陽の活動が弱く、美しいオーロラが出現する事はなかったからだ。
オーロラが見られず、心残りのままに迎えた最終日。
最後の観光で雪山から顔を出す青い宝石のような氷河と、雪の白さに反射しそうな美しい青空を見たのだ。
青い幻想。
オーロラが見られなかったが、その青に出会えたことがこの旅最後の喜びとなった。