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2021年に読んで面白かった本リスト
どうもエルモ(@elmo_marketing)です。
年末恒例、その年に読んだ面白かった本を、1冊3行ほどでサクッと紹介していきます。
記憶力の低下が著しく、2021年後半に読んだ本が多くランクインしてる気がしますが、ご了承ください。笑
アイデア資本主義
2021年に読んだ本で、ダントツで面白かった本。
多くの書籍が「脱資本主義」「新しい資本主義」と資本主義に変わる概念を無理やり持ち出そうとしているなか、資本主義が人間の心的傾向によって生まれているものであり、システムそのものを取っ替えることはできないという話がメチャクチャ良かったです。
これまでの資本主義の歴史を、「時間・空間・生産」と3つの観点から振り返りながら、「これから来る資本主義の在り方」を論理的帰結として導き出しているのもすごく参考になりました。
一冊だけオススメするなら、こちらの書籍をゲキ推しします。
メディアの未来
「21世紀の歴史」で有名になった、ジャックアタリの新刊が今年こっそり出ていました。
これまでのアタリ本同様、「歴史を振り返る→教訓を得る→未来を予測する」という流れになっていて、メディアの歴史とこれからを考える良い機会になります。
年末年始に重厚なメディア本を読むなら、これが良いかと。
売上最小化、利益最大化の法則
D2C企業を経営する北の達人木下社長の一冊。
経営者、マーケター2つの視点で読ませてもらいました。「利益から逆算して打ち手を考える」というのは、当たり前なもののできていない企業・個人が多いのではないでしょうか。
ここに書かれていることを愚直に実践したら、大きくビジネスを外すことはないだろうなと。木下社長の凄みは、確度高く利益が出るビジネス・プロモーションしかやらない中で、年商100億円のビジネスを築き上げてるところだと思います。
決算書の読み方最強の教科書 決算情報からファクトを掴む技術
本のタイトル通りですが、「決算の読み方」について、深い・深い学びがある書籍。
決算書に書かれているストーリーを読み解く技術や、PLだけではなくBSとCSまで含めて業績やビジネスモデルを理解する視点は、素人の私にはとても有り難かった。
馴染みある企業の決算書をもとにケーススタディも多く掲載されており、汎用と具体のバランスも非常に良かったです。オススメ。
起業のすすめ さよなら、サラリーマン
令和ほど、起業のチャンスに恵まれた時代はないとわかる一冊。
ただふたつほど疑問があって、ひとつは「さよなら、サラリーマン」なんて副題に入れていいのかと。事業をスケールさせるには、人を雇わないと行けないので笑
あとは、筆者の佐々木さんが立ち上げたPIVOTという会社。プロダクトひとつまだないのに3億円も資金調達していて、バリュエーションどうなってるの?と。 スタート時点から企業価値が上がり過ぎて、後々大変そうだなと、余計なお世話ながら感じました。
VCの教科書―VCとうまく付き合いたい起業家たちへ
米国で一世を風靡しているベンチャーキャピタルa16zの著者が書いた、ベンチャーキャピタルのビジネスについてまとめた本。
米国西海岸では、起業家と資金提供プレイヤーがひとつの生態系を成していて、新しいビジネスを作る土壌が整っていると感じた。この土壌は、もともと存在したものではなく、そこにいる人の意思・思想で耕されていると、本書を読めば感じられます。
ベンチャーキャピタルとはご縁がない私でも、メチャクチャ勉強になりました。
レゴ--競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方
LEGOの利益率はAppleよりも高く、超高効率でお金を稼いでいる企業。そんなLEGOも10数年前は経営不振に陥っており、破産寸前の状態からV字回復した裏側が語られています。
30代の元マッキンゼーの若手社員がトップになり会社を刷新した物語は、コンサルプレイヤーには福音なのではないでしょうか?
プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ
アメリカのSaaSビジネスを題材に、プロダクトを中心にビジネスを伸ばす方法をまとめた本。
SaaSやサブスクビジネスをやっている方はマジで読んだ方がいいです。戦略レイヤーから、実際の解約阻止の戦術論まで網羅されていてよかった。
コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング
主に、BtoBを売り物とした人に向けて書かれたコトラー本。(こんな本があるなら、もっと先に教えてくれよと言いたくなるくらい良書でした)
コンサルや広告代理店、制作会社など、対法人でビジネスをやっている人は一家に一冊あると良いかなと思います。
Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代
こんなヤツが成功するなんて、とダークホース的な存在を追跡し、彼らの共通点を探った一冊。
標準化されたモノサシで成果を目指すよりも、「充足感」ドリブンで行動を起こしていった方が、結果的に成功に繋がることをあらゆる観点で指摘している。
競争優位性が「情熱とそれに伴う継続性」くらいでしか生まれない現代だからこそ、充足感を得られているかをモノサシにするのは、合理的な判断だと感じます。
「やりたいこと」が見つかる時間編集術 「4つの資産」と「2つの時間」を使って人生を変える
ベストセラーを連発してきた編集者が「時間の使い方」についてまとめた書籍。
「時間→能力→人脈→お金」の順で資産を手に入れることで、各資産が効率よく増えていくという考え方が、目から鱗の発見でした。(逆に、人脈・お金を先に得ようとすると、時間と能力を浪費するだけとも言えます。)
嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
プロフェッショナルとは何か?について死ぬほど考えさせられました。
落合監督の言動、振る舞いは明らかにサイコパス。一生に一度のプロ野球人生、上司(監督)が誰になるかで、同じ職業とはいえ働き方も大きく変わるもと感じさせられました。
良いマネージャーにも多様性があるのかもしれません。
点・線・面
隈研吾氏がおそらく10年ぶりくらいに、自分の考えを自らの文章で語った貴重な書籍。(ここ数年は、激務もあってか、書籍もインタビューなど彼の思考の断片を見れるにとどまっていました)
20世紀の建築を振り返りつつ、隈さんが目指す建築(と思想)について、本人なりに思考を体系化しています。
世界は大きい物へと一方的に進化しているわけではなく、大きい物がより大きくなり、速い物が速くなるほど、僕らは小さい物、ゆっくりした物に魅了され、引き寄せられてしまう。大きい物と小さい物との間で、僕らは振動し続けている。
実際のところ、建築はどんどん大きくなっていく一方で、心あるデザイナーの関心は、小さい物へと向かっている。大きい物を効率的に作ることが20世紀の建築の目的であったとするならば、小さい物ー建築の点・線・面ーと人間の身体の間の対話、相互作用が建築デザインとテクノロジーの中心課題となってきた。小さくて繊細な物たちを使って、自由でやさしくてやわからな空間を作り上げていくテクノロジーが、次々とめばえてきたのである。
昨今の全国各地の隈研吾ブームをさらに楽しめる一冊だと思います。建築素人の私でも、十二分に楽しめました。
旅の効用:人はなぜ移動するのか
旅好き、なら是が非で読んでほしい一冊。
今は家族や子供がいて、自由にバックパックを背負って旅に出ることも難しい状況だけど(そもそもコロナ渦で海外に出れない)、また近いうち面白い国へ旅に出たいなと思う。
知らない土地への旅や移動は、モノゴトを相対化して見る力を鍛えてくれるので。
憎悪に発展する可能性のある不安の9割は、見知らぬ事柄に対する無知、つまりは、故郷以外の世界を知らない経験不足が原因だ
旅行は平和の象徴であると同時に、平和への手段だと思いますね。2022年、そろそろ旅に出たい物です。
みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―
村上春樹のインタビュー本です。
これまで、村上春樹が自分でエッセイを書く、または村上春樹が誰かにインタビューをするというパターンは多くあったのですが、村上春樹がインタビューを受けるという形はあまりなかったと記憶しています。
よく「深く井戸を掘る」という表現が彼の本には出て来ますが、まさに対話を通じて彼の思考が深堀り・可視化された良い本でした。
ICEMAN 病気にならない体のつくりかた
「実用的であった」という意味では、この本が2021年の生活に最も役に立ちました。
やることはシンプルで、毎日冷水シャワーを30秒以上浴びるようになりました。
冷水シャワーを浴びるようになって、身体が強くなった感覚が明確にありまして、今年はずーっと自宅では半袖短パンで過ごしています。(家族にはもっと服を着てくれと怒られていますが・・・w)
サウナの「整う」効能も、ほとんどが冷水にあるとこの本を読めばわかります。
悲しき熱帯
難解なレヴィ=ストロースの書籍、やっと読みました。(それでも一部飛ばしたけれどw)。
レヴィ=ストロースが提唱した概念に「ブリコラージュ(=寄せ集めで、なんとか間に合わせる)」がありまして、アマゾンの原住民がどう知恵を絞って寄せ集めで生活を成り立たせていたのか、そのフィールドレポートがひたすら面白かったです。
これからの時代、ひとつひとつの手段利用のハードルが下がっていくからこそ、色々なものを寄せ集めてうまく機能させるブリコラージュ的な思考が重要になってくる気がしています。
ここから先は、番外編で2021年に読んだ漫画を紹介していきます。役に立たない情報なので、基本はスルー推奨。
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