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ワハハ本舗はそれでいいのだ

土曜日にWAHAHA本舗40歳記念全体公演『シン・シンワハハ』に行きました。今回の東京公演は新宿にあるシアターサンモールという劇場でキャパは294席で一体感があってすごく良かった。

はじまる前にパンフレットを読んでいると『あれはどちらかが来る日を間違えてしまっているね』と後方の席から声が聞こえてきます。目を向けると高校生くらいの娘さんとそのご両親の3人が席を立ちあがり、少し気まずい雰囲気で劇場の外に出でいきました。私も映画館に行く日を間違えて『席お間違えではないですか?』と言われたことがあるのでその気まずさはなんとなくわかる。

しばらくすると空いたスペースにパイプ椅子が置かれ、その家族のために新たな席が設けられた。こういう気遣いもまたWAHAHA本舗。
そのまま帰ることになる家族を見てしまっては気持ちよく笑えない。


公演は40周年記念ということもあって、あれこれ入れておもちゃ箱をひっくり返したような豪華な展開の3時間でした。ワハハ本舗のネタが世間的に面白いかどうかわからんけれど、私は好き。ワハハのキラキラしたファンタジーのエンタメに完全に心をつかまれて、最後はディズニーランドから帰るみたいな気分になる。(TDLも今年40周年)まだ公演中なので詳細は割愛します。

例えば久本雅美さんがステージから降りて、客席からひとりのお客様を選んで『よろちくびー』をさせるのね。『お名前は?お歳は?どこからきたの?ワハハは何回目?』なんてインタビューしながらお客様の緊張をほぐしていって、戸惑ったお客様でも、まんざらでもない様子で元気いっぱいに振り付きで『よろちくびー』をするの。ワハハと同世代のロマンスグレーの紳士淑女たちがです。何人か同じように続けると、劇場の客はみんな全力で楽しそうに『よろちくびー』をするようになるのね。

久本雅美さんは下品な下ネタを直球でやり続けて下品じゃなくしちゃったんだ。

笑いだって常識や世界を変えていく。

知っている人に5回連続で『よろちくびー』を披露したら、今だいたいの人は笑ってくれると思うんだ。

子どもが好きなうんちとおっぱい
なんだかんだ言ったって大人も好きなんだよね。

ワハハ本舗の舞台は下品で奇抜なイメージがあったりすると思うけれど、今ある社会問題や世相を面白く切り込んだり、真面目に作り込んでいてたぶん世間のイメージとは少し違うと思う。


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