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『朧月-初恋』シロクマ文芸部

『朧月』の季語を使っての俳句練習です。


橋ふたり行く当てもない朧月

朧月初恋分かつ鳥がゆく

橋に座し君との温い朧月


初恋の人と両想いだとわかった夜に、おたがいの自宅の中間地点にある橋で待ち合わせをしました。まだ16歳で恋に夢中です。逢ってしまえば離れがたく、そのわりに行く当てもなく。深夜から明け方まで一晩ずっと寒い橋の上で過ごした風景を詠んでみました。

まぁその人には3か月くらいで振られちゃいましたけどね。

自分を開放し、他者と一体感を味わえる恋は、生涯を通しても大きな喜びの出来事ですよね。でもその状態は長くは続かない。恋に夢中な状況とは、承認欲求の成れの果てであり、孤独と共に生きるなかで、孤独を簡単に埋め合わせているに過ぎない。

恋に夢中な状況を愛の強さと一緒くたにして混同してはいけない。

とはいえ、恋とは愚かしくも美しく幸せなこと。


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