夏の終わり
夏のはじまりに、娘のお友達とその母と4人で花火をしようと約束していました。サークル合宿から帰宅した娘が『明日は花火だから』と急に言う。
7月はじめの話ですっかり忘れていた。
『花火は?』と私が聞くと『岐阜のスーパーで激安になっていたから買ってきたよ』と娘。バス移動とはいえ、岐阜で買ったのね。
『はなび固めてポイ』なんて、今どきはこんなのあるんだね。でもこの花火の量が全部入る気がしないのでバケツに水も用意しよう。
じゃあいくよー
シュウーーー
パチパチ
『ママは?遅れてくるの?』とお友達に聞くと
『ママは今日花火するって忘れてて、今夜は出かけちゃいました』と
『あーそうなんだ・・・』と言いながら母は少しシュンとする。『またもんじゃみんなで行きましょう』とお友達のフォローがそつない。
娘らは母がいることを気にせず恋バナに夢中だ。昨日娘の元彼が、復縁のチャレンジをみんなの前でして玉砕したこと。結局この合宿を最後に娘はサークルをやめることにしたことが聞こえてくる。
色恋で大切にしていたコミュニティを手放すのは切ないね。
『線香花火ってさぁ、なんだか夏が終わる感じがするね』って優しい顔で お友達がぽつり言う。
小学生からのお友達はやっぱりそつない。