知ってしまったら戻れないこともある

ファンだった人の、過去の不祥事が明らかになり、それにともなって現在のその人のanother sideを知る羽目になってしまって、思っていたのと違いすぎてショックを受けている。

つらつらと書かせてくださいな。


ずっと前から見ていた動画の人で、過去の作品もほとんど見て、楽しかったり癒やされたりワクワクしたり。
新作が出る日を心待ちにしていた。
その人の作る世界が好きで、映像、音、それらの合わさるタイミングや、かぶせられる言葉のセンスがとても好みだった。ファンだった。
文章にも人は出ると思うけど、映像にも出るだろうから、とっても感性の豊かな素敵な人なんだろうな、とイメージをふくらませていた。

こちらの思い描くイメージと、実際の中の人は別物だとわかっているし、出されているものは作りこまれたもので、中の人がイメージと違う面を持っていて当たり前で。それがわからないほどピュアではなかったんだけど、あまりにも、あまりにも、かけ離れていたことが、なによりショックだった。
作家でも作品のテイストが両極端に違うものを書ける人もいて、白○○、黒○○と言われたりもするけれど、まぁそれに近い、白と黒だったんだよな。

あぁそうだったのか、と思わせる節もある。
動画で黒要素を全く感じさせなかったのは、過去の出来事やanother sideが黒だからなんだよな。隠そうとするならば、白側では黒を感じさせないようにするだろうし、キャラの造形という意味でもその方がキレイにおさまるしな、と思う。
白と黒合わせて一つの人格ができあがる。どっちかの要素しかない人なんていないもんな。
うまく分けて、セパレートして、こちら側には純粋白成分だけを開示していたってだけなんだろう。
ただあまりにもそれが鮮やかだった、こちらにそうとは悟らせなかった、プロだったってことなんだろう。
これはわたしの中で消化すべき問題。

そしてもう一点、過去の出来事は、表に出てしまった以上内容が内容でアウトだった。それぞれの立場や属性によって判断は違うかもしれないが、女性であり子を持つ親としてはアウトだなーとなり、「あぁこれはちょっとむり」となった。
ちょっと違うんだけど、昔好きだったアーティストが薬物で逮捕されたんだけど、それ以降復帰してからはCDを買うことはなくて、今回そのときの心情と近いものがあった。

作品は作品とか、
作品に罪はないとか、
見せている以外の顔があるとか、いろいろな考え方があるけれど、
実際こうなってみると、他の人がどうするかはさておき、わたしが受け入れられるか、られないか、ただそれだけなのだなぁと思う。
たくさんのYESとNOが集計されてどっちが多数だったか、あとから世論が決まるだけのこと。

まとまってきた。

今までの作品を以前と同じ気持ちで見られなくなるであろうことが悲しい。
この先も続いたであろう作品が世に出なくなるのは残念だ。
残念に思うけれど、仮に新しい動画が公開されたとしても、それを見るか見ないかは悩みに悩んで、見ないことに決めるだろう。
あるとわかっていて見ないのも辛いが、もうきっと前と同じようには楽しめないから、見ないほうを選ぶ。YouTubeさんおすすめしてこないでね、と思う。

過去が明らかになり、謎の人物だった中の人の経歴を知ったからこそ、「あ~それで!」と納得できることがいくつもあって、それはそれでつじつまが合って欠けたピースがはまるようにスッキリしたのだけれど、
どんな風に機を織っているのか、できれば知りたくなかったし、
だけど伴侶が鶴であると知らないままだったとしたら、それはそれでいいのか?、とも思うし、
やっぱり答えはどこにもない。

人の見えている面は、ごく一部でしかないんだということを改めて思い知らされた。
見せたいように見せることもできるし、
人格を振り分けたり使い分けたりすることもできるし、
そういうことがうまい人もいるし、
見抜けないこともあるし、
危うさを抱えた人が、才能に富んでいて魅力的である場合もあるし、
まんまと引っかかってしまう場合もあるし。

なんだろう。
枝分かれしてどの道に進んでも救いがないな。

好きになった人は結婚していて、思いを断ち切らないといけないけれど、ばったり会ってしまうとまた気持ちが揺らいでしまう、
そんな失恋をしたらこんな心境になるのだろうか。今なら珠玉のバラードが書けそうな気がする。


もやもやを外に出そう、表現しよう、言葉に置き換えようと試みることで、すこしほぐれました。
お読み下さりありがとうございます。

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