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【お酒の神様をめぐる旅①】奈良の大神神社
奈良県にある大神神社(おおみわじんじゃ)は、我が国最古の神社で、ご本殿がなく、拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山を拝する、という原初の”神祀り”の様を今に伝えています。大和国一之宮です。
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ご祭神は、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)
第十代崇神天皇の時代には、国造り神、国家の守護神として篤く祀られました。
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創祀に関わる伝承が『古事記』や『日本書紀』の神話に記されています。『古事記』によれば、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が出雲の大国主神(おおくにぬしのかみ)の前に現れ、国造りを成就させる為に「吾をば倭の青垣、東の山の上にいつきまつれ」と三輪山に祀られることを望んだとあります。
拝殿
大神神社は、三輪山をご神体とするために本殿がなく、拝殿を通して三輪山を拝みます。
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巳の神杉(みのかみすぎ)
大物主大神の化身とされる白蛇が棲むことから名付けられたご神木です。樹齢500年ともいわれています。蛇の好物の卵とお酒をお供えします。
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狭井神社(さいじんじゃ)へつづく「くすり道」
参道には製薬会社が奉納した灯籠が立ち並びます。
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狭井神社
三輪の神様の荒魂(あらみたま)をまつる神社です。力強いご神威から、病気平癒の神様として信仰が篤いそうです。
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拝殿の裏手に、薬井戸(くすりいど)があります。万病に効くという薬水が湧き出る井戸です。ペットボトルに入ったお水も販売されています。
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磐座神社
社殿がなく、神の鎮まる頑固な岩(磐座)をご神座として、少彦名神(すくなひこなのかみ)をまつっています。
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活日神社(いくひじんじゃ)
酒造りの杜氏の祖先である高橋活日命(たかはしいくひのみこと)を祀っています。
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大物主大神を厚く敬っていた崇神天皇は、神に捧げる御酒を造るために、高橋邑の活日を「掌酒(さかひと)」に任じて酒を作らせました。活日は一夜にして美酒を醸したと伝わります。そのことから、活日は酒造りの杜氏の祖先といわれています。
活日が詠んだ歌が伝わっています。
「この神酒は 我が神酒ならず 倭なす 大物主の 醸みし神酒 幾久 幾久」
ちなみに、三輪の枕詞は「味酒(うまさけ)」です。
醸造安全祈願祭
毎年11月14日には、新酒の醸造の安全を祈る祭典である「醸造安全祈願祭」が行われます。全国の酒造家・杜氏・酒造関係者が参列されます。このとき、拝殿と祈祷殿に吊るされている直径約1.5m、重さ約200㎏の「大杉玉」も新しいものに掛け替えられます。
祭典後、醸造安全の赤い御幣と酒屋のシンボルである「しるしの杉玉」が全国の酒造家・醸造元に授与されます。
酒屋の軒先に吊るされる杉玉(酒林)は、「今年も新酒が出来ました」いう合図なのですが、発祥は大神神社なのです。
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