花は毎年必ず咲きます。
「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。
花は毎年必ず咲きます。」
川端康成
くじら、という方をご存知でしょうか。
音楽プロデューサーの、
くじら、という方。
昨今、yamaやAdoなど歌い手たちが話題になっておりますが、
その立役者とも言える方。
背後で、数々の歌い手たちをずっと支え続け、
数々のヒットを送り出してこられた方です。
さて、ノスタルジィを兼ねて、
くじらさんがプロデュースしてこられた曲をすこし聞き直しておりました。
それで、一つ思い当たりました。
「季節」
この人は、
季節感がすごいのです。
タイトルだけでも、
『夜桜』めいちゃん
『春を告げる』yama
『金木犀』Ado
『ひぐらし』水槽
『季節と私の話』めいちゃん
歌詞まで目を広げますと、
「あの夏を何度も、思い出させる」 『ねむるまち』yama
「だんだん暖かくなってきたね」 『クリーム』yama
「なびく干したシャツに薫る秋の花が」 『A.M. 3:21』yama
「今年も冬が来ました」 『化粧と』青虫
このことはすこし比較をすると尚更、際立ちます。
YOASOBIには、ほとんど季節が出てこないです。
ずとまよにも、季節感はありません。
ヨルシカは、夏の絶対的存在感の影に「季節」自体は隠れています。
「夜好性」と言われるだけあって、
彼女らの感性は「昼と夜」の周りを主に回り、
それをもって大衆に訴えかけているようです。
他方で、くじらさんは「季節」をもって大衆に訴えかけているように思います。
くじらさんから離れたからか、
yama、Adoは最近、季節を歌わなくなりました。
一年だけ咲いて終わるのか。
何年も繰り返し咲くのか。
これからが、花の見どころなのではないか。
しろうとながら僕は、そう思います。
花は毎年、必ず咲くのですから。