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シノヅカヨーコ
2015年6月12日 05:52
「うんと嫌な相手がいるときはねぇ、そのひとに恋をしちゃえばいいのよ」呪いのような愚痴をひとしきりこぼしたわたしを見て、ころころと笑ったそのひとは、わたしの憧れの女性だった。「恋、ですか」「そう、恋よ、恋」彼女の名前は、ユウコさんといった。年齢はわたしの十五個上で、とても背が低い。肌は真っ白で、目じりに跳ねたアイライナーの黒がよく映える。ずっと歳上なのに、あいくるしくて、やんちゃな