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お気に入りを人に教えない

海外に住んでいた頃の忘れられない教訓。

自分のお気に入りを
簡単に、人に教えない。


お姉さんみたいな年上の友達Mさんに
教えてもらった紅茶が大変美味しくて、
私は、子供の同級生のお母さんにも、
教えたことがあった。

まぁ、よくある話。

でも、この後
どこに行ってもそれだけが売り切れで、
自分が買えなくなってしまった。

もちろん。私が食通で、
みんなに影響を与えるような存在な訳ない。

海外での日本人のコミュニティというのは、
本当に強固な結びつきがあって、
ほんの小さな情報も
あっという間に共有される風潮があった。

そんなコミュニティとは、
住むところも、心も少し距離を置いていた
私は、それに気が付かなかったのだ。

すっかり紅茶が買えなくなったことを、
Mさんに報告した時に言われた言葉が
忘れられない。

「もう、充分に堪能した。楽しんだ。
 自分が心からそう思ってから
 人に教えないとね。」


これは、私にとってすごく教訓になり、
それ以降は秘密主義、
相手も選ぶようになったが、
それでも度々苦い思いをした。


そして、いつも思う。

みんな、人から聞いたことを
自分で発見した、発掘したみたいに言う。
しれっと。


私は、誰かから聞いた事は、

◯◯さんから教えてもらったんだけど、
ネットで調べたんだけど、

と前置きする。

そして、人は
自分で苦労して得た情報ではなく、
簡単に得た情報だと、簡単に拡散する。

拡散してる人に、何か意図や悪気はなく、
むしろ、良いことをしていると
思っている節すらある。


情報は、多ければ多い方がいい。
知っている良い情報は出来るだけ拡げる。

もう、ウイルスか細菌みたいに、
一度こぼれた情報は、あっという間に拡がる。

自分が、良いと思ったものを、
素敵な店や場所を、守りたくないのかな?

よくあるこんなクチコミ

"住宅街にある、隠れ家的な静かなお店"

って。オイ!
こんなクチコミしてたら
もう、隠れてないじゃない(笑)
とツッコミたくなるのは、私だけ?

一時の注目のために、
大事なものを安売りするなんて、残念すぎる。


出して良い情報と、
秘密にして、存分に楽しむ情報を、
ちゃんと、分けて考える。

中力粉と強力粉

今日買った、地元の小麦粉。
減農薬で、そこそこ安くてすごーく
気に入ってて、少し遠い店まで買いに行く。

例えば、これをどこの店で売っているか

…なんて、絶対に書かないわよ。
自分が買えなくなったら困るから。

私の影響力なんて、思ってるほど無いし、
きっと売り切れたりもしないんだろうけど、
紅茶の教訓と、
人の情報を自分の情報として、
簡単に拡散する人がいるという大前提を
忘れてはいけないのである。

自分で見つけて、調べて、使って、
納得したこの情報。
誰よりも、わたし自身が、
大事に取り扱わなければならない。

公開されない情報が、
一番貴重なのだから。

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