美味しいことば。
(TOP画像は酵母を使ったショートブレッド)
甘味、塩味、酸味、苦味、旨み
が、いわゆる"味覚"。
歳をとってからの方が、
食べ物の味覚に、敏感になって来た、
気がする。
長く生きていれば、出会った味も多いし、
色んな味をそれなりに知っているから、
当たり前と言えばそうなのだけど。
好みの味付けとか、分かりやすいのではなく
うまく言葉に出来ない、
味の奥行きとか、深み。
本当に美味しいものに出会った時に、
誰かに伝えたくてもうまく伝わらない。
頷きながら、
自分の世界に入ってしまうようなこと、
無いですか?
美味しいものを作ったり、
出会ったりすると、幸せ。
一方で、
明確に、"美味しく無い"
"これは、食べたく無い"と思うことが
増えて来た。
ワガママとか贅沢とか、
そういうものとも、少し違うのだけど。
夏に、美味しくないお酒に出会ってしまい
しばらく禁酒なんてしたりもあったな。
風味、深み、コクみたいな、
味覚のどれにも当てはまらない微的要素。
そういうものの存在が、年々大きくなる。
私が、専門家みたいに
何かの味の違いが分かるかと言えば、
分からない。
でも、そんな能力は必要ない。
食の好み、味の好みって、
実はとっても、個人的なものだしね。
少し前にいわゆる業務スーパーで買った
お肉が、絶望的に美味しくなかった。
匂いがダメで、それを焼いて立ち上る匂いで、
更にダメージを受けた。
抗生物質?飼料?水?飼育環境?
私に分かる術もないけど、
カラダが、舌が、食べてくれるな‼️と
警告してきた。
大きなパックだったから、小分けして、
しばらく使ったけど、あんなに
料理のテンションが下がったことはなかった。
パックが大きいから、少しだけ割安だけど、
いつものスーパーで十分だと思い知った。
そもそも、2人暮らしですし。
昔は、聞き齧りの情報を聞いて、
無責任に別の誰かにオススメしたりなんて、
平気でやっていた気がするけれど、
最近のブームは
美味しいものは、
こっそりと、じっくり味わう。
美味しいコーヒーは、
ひとりで飲みたいし、
美味しいランチも、
ひとりで食べたい。
本当の本当に美味しいものは、
共感出来なくても、全然良い‼️
それくらいのインパクトってこと。
なんとか起こした酵母から
パンを焼けるようになってから、
毎日の咀嚼が、嬉しくて仕方ない…
とはいえ。
そんなに美味しいものを、
しょっちゅう食べてる訳ではないから、
いつも、孤独って訳では無いですから。
何を食べるか、より、誰と食べるか。
それも美味しさの要素だし、
大事にしていきたい。
歳をとってから、味覚が敏感になったと
書いたけれど、これは私の場合であって、
若くても、味覚が素晴らしい人もいるし、
同年代で分からない人もいると思う。
甘い、カリカリ、サクサク、ふわふわ、
ガッツリ、濃厚、あつあつ、しっとり、
あっさり…美味しい言葉はたくさんあるけど、
言葉で説明できない
美味しさに、たくさん出会いたい。