私は美弥るりかという存在を愛さずにはいられない。 そんな作品だった。 眼も耳も幸せとはまさにこのことで、2022年ベスト3に入るであろう傑作。 有り得たはずの、果たされなかった何か。誰が悪いわけでもなく、でも心に残るわだかまり。 有り得た世界線の幻想から優しく解き放たれたあとに見えるのは、明るい未来。 ヴェラキッカ家の人々がイニシアチブに関係なくノラを愛したように、私は宝塚に関係なく美弥るりかという存在を愛している。 それで十分だった。そう。それで十分なのだ。
今回もかっこいいおじさんの話 元来、ひねくれ者かつ小心者なので、"みんなが好きなアクションもの"にはあまり興味がなかった。 しかし、食わず嫌いというのは本当に損なのだ。 ダニエル クレイグのイケおじっぷりに脱帽。そして、アナ・デ・アルマスがあまりに可愛い。 skyfallやno time to dieといったクレイグ007の副題をそのまま使ってくれた日本の配給会社のセンスに拍手喝采を送りたい。 きっとno time to dieが副題でなかったら、クレイグ007とは
洋楽には余り詳しくないけれど、とてつもなくカッコいいおじいちゃんを見つけてしまった。 デイヴィッド・バーン。 私の中で仁左衛門丈と対をなすカッコいいおじいちゃんに巡りあった瞬間である。 お二方とも「おじいちゃん」と呼ぶなどおそれ多いことは分かっているけれど。 年を重ねるって悪くないかも、と思わせてくれる存在は貴重にして稀有。 今まで知らなかったことを後悔しながら、生きているうちに巡り会えたことを感謝する。 人の愉しみは結局、人と巡り会うことなのだ。 ああ、仁左衛
時々ふと昔を思い出したくなる。 消してしまいたい記憶がほとんどなのに。 微かな甘さを手繰り寄せたくなる。 メゾン・ド・ヒミコ。 10代の私を助けてくれた映画のひとつ。 愛すること、赦すこと、認めること。 初めて観てから10年の月日が流れて、 サオリの年齢も過ぎ去って、 結局あまり自分を愛せていないけれど、 観たあとに流れ込むあたたかさは今も変わらず。 と、感傷的に書いてみたけれど、 ヒミコ役の田中泯さんの気高さと 春彦役のオダギリジョーさんの色気は 本当にみなさま一見