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理由のない落ち込みは、心からの大切なメッセージ

今日も朝から気持ちが重たい。

いつも通り朝5時に目覚まし時計が鳴って、いつも通り愛犬の散歩に出かけようとしたのに、なぜか体が動かない。横になったまま天井を眺めていると、愛犬が私の布団の上でちょこんと座って、首を傾げながら私の顔を見つめている。

「ごめんね。なんだか、動けない」
そう言い訳をしながら、自分でも何が悪いのかわからない。頭が痛いわけでも、熱があるわけでもない。ただ漠然と気持ちが重たくて、布団から出る気力が湧いてこない。

このところ特に変わったことはない。仕事や職場の人間関係は相変わらずストレスが多いけれど、それは今に始まったことではない。プライベートでは平穏な日々が続いているはずなのに、時々訪れる説明のつかない落ち込み。でも、こういう日があることを、私はもう受け入れることにしている。

散歩に行きたそうに私を見つめる愛犬の目を無視することはできず、なんとか布団から這い出して身支度をする。玄関に向かうと、愛犬は尻尾を振って待っている。

外に出ると、キーンと空気が冷たくてシャキッとする。まだ朝早いせいか、人通りも少なく、愛犬と二人きりの散歩を楽しむことができる。

散歩中、私はいつものように自分と対話を始める。
なぜ今日は気分が落ち込んでいるのだろう。仕事で何かあったかな。いや、特に思い当たることはない。プライベートでも、特に悩みはないはず。

でも、よく考えてみると、この「理由のない落ち込み」は定期的にやってくることに気づく。確か先月も、同じように朝起きられなくて困ったことがあった。その前の月も。そう思い返してみると、だいたい月に数回はこんな日がある。

高校生の頃から、突然やってくる理由のない落ち込みには悩まされてきた。当時は自分がおかしいのではないかと思い、誰にも相談できずにいた。でも、今思えば、誰にでもある自然な心の波なのかもしれない。

友人と話していても、「私も定期的に落ち込むときあるよ」という話をよく聞く。その理由も人それぞれで、「天気のせいかな」とか「月の巡りじゃない?」とか「ホルモンバランスだよね」など、みんな自分なりの解釈をしているようだ。

私も最近は、この定期的な落ち込みの原因を探るのはやめた。むしろ、こういう日があることを自然な現象として受け入れるようにしている。

月の巡りなのだろうか。バイオリズムという言葉もよく聞く。女性なら誰でも経験するホルモンバランスの変化もあるだろう。でも、そういう科学的な説明を求めることに、あまり意味はないのかもしれない。

人は誰でも、時々心が不調になる。それは自然なことで、むしろ健康な証なのかもしれない。いつも100%の調子でいられる人なんていないはずだ。

愛犬も、時々ぼんやりとして元気がない日がある。そんな日は、いつもより甘えん坊になって、私のそばから離れようとしない。
虹の橋を渡ってしまった愛猫も、気分によって私への態度をガラリと変えていた。機嫌がいいときは甘えてきて、悪いときは完全に無視。でも、それが自然な姿なのだと思う。

そんな愛犬や愛猫を見ていると、生き物はみんな気分の波があるんだな、と思う。完璧に気持ちをコントロールできる生き物なんていないのだ。

散歩から帰ってきて、コーヒーをいれながら考える。
この「理由のない落ち込み」は、もしかしたら心からのSOSなのかもしれない。普段は気づかないような、小さな疲れや不安が積み重なって、時々表面化するのかもしれない。

だから、無理に原因を探したり、早く治そうとしたりする必要はないのかもしれない。

むしろ、そんな日は一呼吸置いて、自分の心と静かに向き合う時間として受け入れてもいいのではないか。焦らなくていい。誰にも相談せず、ただ自分と対話する時間。

私の場合は、愛犬との散歩がその時間となっている。愛犬は何も言わないけれど、そばにいてくれるだけで心強い。時々、心配そうに私の顔を見上げてくれる仕草に、思わず笑みがこぼれる。

最近は、YouTubeで「メンタルケア」や「セルフケア」に関する動画をよく見る。専門家が語る言葉に励まされることもあれば、コメント欄で同じような経験を持つ人たちの言葉に救われることもある。みんな、それぞれの方法で自分の心と向き合っているのだ。
でも、結局のところ、答えは自分の中にあるのかもしれない。

むしろ、そういう波があることで、調子のいい日のありがたみがわかる。落ち込んでいた気持ちが晴れたときの解放感は、心地よい雨上がりの空気に似ている。

今日も一日が始まる。愛犬は、「ごはんはまだなのねー」と、また布団にもぐってしまった。朝の散歩で、私の気持ちに付き合ってくれてありがとう。

今日は今日の風が吹いて、また明日は明日の風が吹くのだろう。そんな風のように、心の波も自然に受け入れていこう。
そんな、私なりの向き合い方でいいのかもしれない。

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