インタネッツの欠片たち
海のような、銀河のようなインターネットの中には
リア垢 恋愛垢 愚痴垢 クリエイター垢 アフィ垢
秘密垢 暴れ垢を持ち
それらすべてに人格を持たせ、統括し、気まぐれにそれらをリンクさせ、人々の探求心を煽り
本業とは別に 巨万の富を得るものがいたという
一方、どの垢でもなんとなく世間を気にして泣かず飛ばずのことしか言えず
それでも誰かに本当の自分を知って欲しい!と上っ面の発信をし続けるCHOCOのようなものもいた
冒険者達はそれぞれの運命に出会うべく、銀河の中にちりぢりになった「ひとつなぎの財宝」だか「七つの玉」をすべて集め
エポキシレジンと陽光
「いつも見ています!大好きです!」の呪文を唱える
けれど運命は、地味だと思っていたお隣さんだったり
外ヅラばかりが良い弟だったりして
銀河の意外なせまさ、運命と現実のギャップに度肝を抜かれるのだそうだ
一方欠片が不完全な状態や、詠唱魔法を間違えた場合
それらはもっと散り散りばらばらになり、永遠に「運命」と巡り会えないどころか
呪われしアカウントに、近くのコンビニで10000pのwebmoneyカードを5枚買ってくるよう命令されたり
自らが呪われしアカウントになり、永遠に銀河をさまよい続けるのだという
しかし時代は変わり、顔も氏名もダダ漏れで活躍するニューエイジたちが現れた
彼らはオンやオフのスイッチをもたず、そこが仮想でも銀河でもないことを知っていて
地球全体を見渡せる「もう一つの目」や「拡声器」として、ただ利用したのだ
それらはキラキラと輝き、我々が忘れかけていた毎日を教えてくれる
世間や常識という網に、勝手にかかってもがいていた大人を再び照らしてくれる
誰もがいっとう、輝く星になれるかもしれない
輝く星は、君かもしれない
運命は、君かもしれない
もう、名前もちゃんとあるのだ