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Photo by
hina_hiyoko
ハローワークとカツ丼
34歳、冬。
わたしは今、ハローワークに通っている。
24歳で地方公共団体に入社したころ、
「これでずっと安定。定年まで勤める!」
と豪語し、一生の安定を手にしたと喜んでいた。
あのころの自分に、無職のわたしはなんと詫びたら良いのだろう。
ハローワークという陰気な空間
退職して2日後、はじめてハローワークに行った。
重たく湿っぽい。陰がただよう空間だ。
かつて元夫と揉めた時に通っていた、家庭裁判所に似ている。
入ってすぐに、ここを1日も早く引退したいと思った。
失業手当の申請を進める。
窓口には30代塩顔の男性。なんとも愛想が悪い。感情がなく、機械的に動き、控えめにいって「まじで嫌い」だ。
一通りの手続きを説明され、足早に立ち去る。
次は就職相談。
担当者は当たり外れあるが、この日は、親切ですごく良い人だった。
ブラック企業を引き当てたわたしに激しく同情し、今後のことを親身になって相談に乗ってくれた。
無職はひとりじゃない
無職になってから、平日の日中は憂鬱で仕方がなかった。
みんな働いてるのに、なにしてんだ自分…と惨めになった。
でも、ハローワークにいくと、たくさんの人がいる。
無職は、わたしだけじゃない。
ほんの少しだけ気持ちが軽くなった。
ハローワークとカツ丼
後日に行った、失業手当の説明会のあと、某チェーン店でカツ丼を食べた。これがやたらにおいしかった。
これから、カツ丼を食べるたびに
「ハローワークにいってたときもあったなー。」
と思い出すのだろうか。
次にカツ丼を食べるときは
「あんなことがあったけど、良いところに決まってよかった」
と振り返りたい。
あまり期待をしていなかったが、ハローワーク経由で、契約社員と高時給のパートの2社エントリーした。
近所の企業からはお祈りメールをもらったが、落ち込んでる暇はない。
自分の居場所を求めて、今日も前に進み続ける。