カナダ大学院合格までのプロセス
皆さんこんにちは。現在カナダのケベック州にあるマギル大学にて修士課程に在籍中のChocoです!今回は私が海外大学院進学を決意してから実際にどういうことを行って合格を得たのか、そのプロセスについてお話しします。海外大学院出願を考えている方に、合格までにやるべきことの具体的なイメージを持って頂ければ幸いです。
さて、前回の投稿でお話ししたように私が海外大学院進学を決意して行動に移し始めたのは大学4年生の8月でした。2024年秋入学を目標にしていたため、半年後には出願締め切り、1年後にはプログラムがスタートするということであまり多くの時間は残されていませんでした。この限られた時間の中で海外大学院合格を勝ち取るまでには妥協しなければならなかった部分もあるため、進学を決意したら早め早めの行動が重要であることを忘れないでください。
こちらが私が海外大学院出願を決意してからのスケジュールです。具体的にどんなことを行ったかについて説明していきます。
海外大学院プログラム調べ(8月)
海外大学院進学を決意してから私がまず一番に始めたこととして、海外大学院プログラムおよび研究室探しと、今からでも応募できる給付型奨学金を探し始めました。まず出願までにあまり時間がなかったため、進学したい国を1つに絞りプログラムを探し始めました。理由としては海外大学院の出願プロセスは国ごとに大きく異なるためです。前回の記事でお話しした通り、高校の頃にカナダへの短期留学の経験があり、長期間の留学を行いたいと思っていたため、出願する国をカナダに絞り探し始めました。多くの日本の奨学金は8月や9月に締め切りがあるところが多く、多くの奨学金の応募には英語スコアが必要でした。私はこの時点で英語スコアを何も保持していない状態だったため、日本の財団からの給付奨学金の獲得はあまり期待していませんでした。しかしながら、両親からの資金援助も見込めない状況だったため大学院プログラムの中でも決まった額の奨学金がプログラム進学者全てに保証されているプログラムを中心に探しました。カナダの大学院修士プログラムはnon-thesisとthesisの2つに分けられます。thesis(修士論文の提出が卒業要件となっているプログラム)は、修士プログラムでも奨学金の給付があるところが多くあるので資金面においては日本で修士に進学するよりも良いと言えます。以下が例として私が在籍するプログラムのウェブサイトに載っている奨学金情報です。このように多くの場合Fundingのタブに「奨学金MSc-ThesisおよびPhDの学生には最低限の奨学金の給付を保証します」というような記載があるため、各自興味のあるプログラムのウェブサイトを確認してみてください。
日本の奨学金に関しては非営利団体XPLANEさんのウェブサイトに海外大学院進学用の給付奨学金などの情報が詳しく載っています。是非参考にしてみてください。
教授へのメール・インタビュー(9月)
海外大学院プログラムおよび研究室調べが済んだら教授へ送るメール文や履歴書(CV)を作成していきます。多くのプログラムでは出願の際に指導教員(supervisor)が決まっていた方が合格率が上昇します。プログラムによっては指導教員が決定していないと出願できないこともあるので一番重要なプロセスとも言えます。このプロセスはnon-thesisの生徒は必須ではないことと、プログラムや国によっても異なるため注意してください。メール文の作成方法やCVの書き方については長くなってしまうため別で記事を作成します。ここで全ての教授が返信してくれるわけではないので、研究室の候補はなるべくたくさん見つけていた方が良いです。返信が来たらインタビューのアポを取り付け、インタビューを行います。私は9月の初めにメールを送り初め、9月中旬には1度目のインタビューを行っていました。メールの送信時期ですが早すぎても教授のグラントの結果が分かっていない関係で、その年に教授が生徒をとれるかが決まっていないことが多いのでメールの送信時期は9月以降が良いかと思います。自身で資金の確保が済んでいる場合は早い時期にメールを送り初めても問題ないです。最初のインタビューは教授と1対1、その後教授の研究室メンバーとのインタビューを行います。その後、指導教員になってくれるかどうか教授から連絡が来ます。私は3人の教授とインタビューを行い、今の担当教員からオファーが来たのは10月初旬でした。
IELTS勉強(10月~12月)
教授からオファーが来た時点で本格的にIELTSの勉強を開始しました。マギル大学の私のプログラムでは英語語学証明としてIELTSまたはTOEFLが選択可能でした。私は大学2年生の時に一度TOEFL iBTを受験したことがありましたが、TOEFL iBTは一斉スタートではないためリーディング問題を解いているときに他の人のスピーキングが聞こえ、更に長時間ということもありうまく集中できず散々だった思い出があったためIELTSを受験することにしました。この時は知らなかったのですが、TOEFL iBTは2023年夏に試験時間が大幅に改訂され個人的に点数を取りやすくなっているので各自必要スコアを比較して各自どちらを受験するかを決めて下さい。私はIELTSでスピーキングとライティングのセクションが伸び悩み、3ヶ月で合計6回ほど受験する羽目になったので英語に関しては本当に早め早めの対策が重要です。IELTSの勉強法についての詳しい説明は別の記事で行います。
出願書類の準備(10月~12月)
IELTSの勉強の合間に出願書類の準備も行っていました。私のプログラムでは出願に必要な書類として、CV (履歴書)、Personal statement (志望理由書)、英語語学能力の証明書、学部時代の成績証明書、Supervisor confirmation form (指導教員同意書)、推薦書2通がありました。推薦書に関しては多くの場合で自身のことをよく知る教授に頼みます。教授の方々はお忙しいので余裕を持ってお願いしましょう。また成績証明書に関して、GPAも最低基準が設けられている場合が多いので気をつけて下さい。指導教員同意書は教授とのインタビューのあとに教授からポジションのオファーをもらうことが出来た後に教授がサインする書類です。私が出願したプログラムではこの同意書が必須だったため、指導教員を見つけない限り書類不備で出願を完了できませんでした。出願には多少のお金もかかるので、出願手続きは指導教員が決まってから開始しました。CVとPersonal statementは作成後に出願先の指導教員に添削をお願いしました。出願は普通複数校行う方がほとんどですが、私は現在通っているマギル大学のみに出願を行い、滑り止めとして同時に学部を修了した大学の院試も受験しました。
出願完了から合格まで(1月~4月上旬)
出願が完了するとあとは審査が終わるのをひたすら待ちます。進学先の指導教員からは、「全ての出願書類に必要な基準を満たしていて、更に指導教員も決定している場合は大体合格する」と言われていたのでそこまで不合格の心配はしていませんでしたが、正式に合格通知をもらうまでは不安な日々を過ごしていました。元々の合格通知予定は遅くとも3月15日までに来るとのことだったのですが出願システムの不具合とやらで合格通知予定を過ぎても合格通知は来ませんでした。ここで問題だったのが日本の大学院の入学金の支払期限が3月中旬だったことです。これを支払わないと万が一マギル大学が不合格だった場合に進学先がなくなる一方で、入学金は約30万円近くとかなり大きな額という状況でした。悩みに悩んだ結果私は、マギル大学の指導教員の言葉を信じ、日本の大学院に入学金を払うことを諦めました。そして入学金支払い締め切りの約1ヶ月後、4月半ばにさしかかる頃ようやくマギル大学からの正式な合格通知が届きました。
さて、いかがでしょうか。この記事で出願から合格までのプロセスのイメージを少しでも持つことが出来れば幸いです。海外大学院出願は長く、ストレスがかかることも多いです。しかし決して不可能ではないので、海外大学院進学を検討している方、是非挑戦してみて下さい!今回の記事では出願から合格までの流れを大まかに説明しました。次回以降の記事では、インタビューの準備、IELTSの勉強法、出願書類の準備、更に出願後のビザの取得方法や家探しについて一つ一つ詳しく記載させていただきます!