【原神】マーヴィカのバイク問題
マーヴィカのバイク問題とは
原神ver5.3で実装予定のマーヴィカの立ち絵が公開されたが、バイクに乗った姿に賛否両論。
私は否定的な立場です。
バイクに乗っていて何が悪いのか
よく見る反・反対意見にこのようなものがある。
「フォンテーヌのロボや、チャスカの空飛ぶリボルバーに比べたら技術的難易度は低いはずだ」と。
確かにそれはその通りなのだが、それらとマーヴィカのバイクでは大きく異なる点が2つある。
① マシナリーはフォンテーヌの文明の一部に組み込まれている
クロックワーク・マシナリーは人間に代わる労働力として発明され、実際にフォンテーヌの各所で働く姿を確認できる。
そして、フォンテーヌはその技術力に見合った発展を遂げていて、マシナリーが存在する光景に説得力がある。
仮にナタが同じように「バイクに使われた技術力」を有している場合、まず間違いなく第二次産業革命レベルの発展が確認できるはずだ。
しかし、ナタはお世辞にもそのように発展しているようには見えない。
以下はバイクの開発者であるシロネンが所属する「こだまの子」の写真だが、最も建造物が密集している部分を探した結果がコレである。
技術とは、ある日突然に発生するものではない。
必ず「繋がり」があるはずだ。
ナタにはそれが全く無いため、いきなり完成品としての現代的バイクが出てくるのは違和感が大きい。
例えばナタがもっとスチームパンクな町並みだったり、住民が廉価品のバイクを乗り回していれば意見は変わっただろう。
② バイクを開発するモチベーションが無い
フォンテーヌは水の国であり、街を繋ぐ水路があり、その上を走る船がある。
これはとても自然な流れだ。
ナタは高低差の激しい谷が多く、マグマが吹き出しており、それらを超える乗り物が必要だった。
ナタのキャラクターが扱う乗り物を作ったモチベーションも理解はできる。
しかし、バイクは話が別だ。
ナタには舗装路が無く、どう考えてもバイクが快適に走れる環境ではない。
これは例えば水路が無いのに巡水船を作ったり、レールが無いのに列車を作るようなものである。
「技術的に可能」であることは「それを作る合理的な理由」にはならない。
どうやらマーヴィカのバイクは飛んだり跳ねたりできるようだが、それならバイクの形である必要が無い。
いかにプレイヤーを納得させるか
初めてスメールを訪れた日を覚えているだろうか。
旅人がスメールシティに入ると、すぐに教令院の人物がやってきて、旅人に「アーカーシャ端末」を渡したはずだ。
どう考えてもオーバーテクノロジーの産物だが、このように説明される。
「アーカーシャは草神の遺物で知識の宝箱、教令院は数百年の研究でそれにアクセスする端末を開発した」と。
そして、シティを出入りする全ての人がこれを身に着けている光景を目にする。
このような導入があったからこそ、「そういうもの」として受け入れる準備ができる。
また、フォンテーヌに入国した際にも巡水船の上でガイドから様々な説明を受けることができる。
警備ロボがあること、執律庭という機関があって法執行を司っていること、喧嘩は決闘になること、メリュジーヌという異種族と共存していることなどが告げられる。
対して、ナタはどうだろう。
龍の国であると説明され、龍の力を使えることを知り、自然と共存する生き
方を見せられる。
そこにバイクは無い。
炎神マーヴィカが登場し、執行官第一位「隊長」と戦闘し、まさに神と呼ぶに相応しい戦闘力を見せられる。
「ドラゴンボール」の世界のような、高速で衝突しながら空中に飛び上がる様子や、炎の塊を誘導弾のように飛ばす様子が確認できる。
もちろん、ここにもバイクはない。
アビスとの戦争中も、夜神の国に助けに来た時も、どこにもバイクの姿はない。
そもそもこれだけの速度で飛べる神が、大剣や炎を飛ばす攻撃をする神が、バイクに乗る意味が全く分からない。
オーバーテクノロジーがあってはいけないのではない。
元素力でも神の心でもアルケーでも燃素でも何でもいい。
ただ「納得できるだけの下地」が必要だということだ。
七神としてそれでいいのか
原神の世界において「神」とは特別な存在だ。
圧倒的な力で他の魔神を討ち滅ぼし、山を消し飛ばし島を両断し、国さえ滅ぼして地下へと封じる存在が原神世界の「神」だ。
プレイアブルキャラクターとして実装される神々も、それに相応しい力の見せ方をしている。
暴風を操る風神、隕石を召喚する岩神、雷の刀で空間さえ切り裂く雷神、巨大な知恵の殿堂を顕現させる草神、水元素の生命を使役する水神……
バイクに乗ってドタバタ跳ね回る炎神
プレイヤーが見たかったのは本当にそんな炎神の姿なのか?
正直言ってめちゃくちゃダサい、せめてもっとマシなモーションにできなかったのか。
「バイク格好良い!ライダースーツ似合う!」という声があるのも認識しているが、それは単に「バイクに乗った格好良い女性キャラ」が好みなのであって、炎神である必要は無いのではないか?
反・反対意見の方々はこう言う。
「DJブースや空飛ぶリボルバーには何も言わなかったのに」と。
私はその辺りも気に入っていないが、マーヴィカのバイクにだけここまで言及するのには理由がある。
はっきり言って、シロネンもチャスカもどうでもいいと思ってる(諦めに近い)が、炎神マーヴィカだけは特別な存在だからだ。
そして、多くの人が同じように考えているからこそ、シロネンやチャスカより大きな反応があるのだろう。
炎神だぞ?格好良いムービー見せられてるんだぞ?1月1日実装だぞ?期待度が同じはずがないだろう。
隣の芝生が実際に青い
先日、同社より提供中のゲーム「ゼンレスゾーンゼロ」にて、星見雅という新キャラが実装された。
ざっくり説明すると「人類の英雄」であり、詳細が分かってる中では最強格のキャラである。
ゲーム中での戦闘シーンは原神のマーヴィカと同じく高速で動き回り、多数の敵を斬り伏せ、巨大な敵に立ち向かうものだった。
そして、実装された星見雅は期待を裏切らない性能と操作感だった。
流石、同社の最新ゲームである。
隣の芝生は実際に青いし、困ったことに距離もかなり近い。
こっちの枯れた芝生の惨めさがより強調されてしまう。
一体どうしたらいい。
ゼンゼロ星見雅と原神マーヴィカの比較についてはこちらをご覧頂きたい。
「期待通りのものを作る」とはどういうことか分かってもらえるはずだ。
最初からバイクのケツで隊長を踏み潰すムービーを見せられていたなら、こんなことを言ったりはしなかった。
期待していたものと全く違うものが出てきたから嘆いているのだ。
美味そうな写真を見てラーメン屋に入ってカレーが出てきたら、それがいかに美味かろうと文句が出るのは当たり前ではないだろうか。
もういい。
カップラーメン食べてくる。
じゃあの。