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#077 ちひろ美術館・東京(お気に入りを500数える)

お盆休みに、久しぶりに「ちひろ美術館」を訪れました。
東京の練馬区にある いわさきちひろさんの美術館は、畑と住宅を抜けていく、どこにでもあるような道の奥にあります。


現在の企画展は『江戸からいまへ 日本の絵本展』。
絵巻、草双紙、絵雑誌と400年にわたっての絵本の歩みが並び、見応えがありましたが、
やはり目当てはちひろさんの原画。

描かれた子どもたちの瞳のやさしさ、肌のやわらかさ。可愛らしい服装に、声が聞こえてきそうな情景。
“いとおしい”という言葉が自然と浮かんでくる絵画たち。

特徴的なにじみやぼかしが、原画で観るとよりよくわかります。
澄んだ色彩にうっとりします。


2018年に開催された いわさきちひろ生誕100年「Life展」はパスポートプレゼントに当選して、足を運びました。


初めて来館したのは、高校生のころ。
まだこのような立派なミュージアムになる前で、ご自宅の一角を改装され「いわさきちひろ絵本美術館」という名称でした。

開館した当初から、来場者が書き残せるノートが置かれていて、それらがすべて製本され今も図書室に置いてあります。
「ひとこと ふたこと みこと」というそのノートたちをめくって、昔のわたしに出会ってみよう!
ふと思いついて、ノートをめくること1時間強。30冊分のノートの中からいくつか自分の字を発見しました。このころは丸文字が流行っていて、同じような字がたくさん書かれていましたが、目に入るものですね。

初めての書き込みをメモしてきました。

1979年2月23日 Fri
雨がふっています
はじめてここを訪れる時 きっと雨がふるだろうって
ずっと前からなんとなく思ってました
すっごく 不思議な気持ち……

「ちひろサンの美術館いっしょにいこーねー」「うん いこーねー」
これがこの頃の友達との会話だったけど
はじめて来る時は ひとりでこよーって思ってました
感激がうまく言葉にならなくて
でも 言葉にしなくても きっと伝わるような

やさしくなりたいと思います
『ひとこと ふたこと みこと』No.8

「今度は友達ときます」と、この文の最後に書き添えた私は、その後ここの会員となり、本当に何回も何回も訪れました。


今は、
訪れる回数は極端に減り、
数年に一度になってしまったけれど、

お気に入りの場所だなぁ と
心から思っています。


最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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