ハコフグ ちょぼ先生の自己満おさかな図鑑 vol.72
見てよし、食べてよし、被ってよしの「ハコフグ」のご紹介です。
・標準和名
ハコフグ
・漢字
箱河豚
・学名
Ostracion immaculatus Temminck and Schlegel
・分類(仲間分け)
フグ目ハコフグ科ハコフグ属
・大きさ
体長は25cm前後になる。五角形の箱状をしている。目立った棘などはなく、皮膚に骨板が発達しており全身を装甲する硬い甲羅を形成している。
こんな珍しい体型のおさかなは他にないと思う。
小型のワイヤレススピーカーみたいなサイズ感である。
・生息地と知名度(認知度)
内湾の浅瀬の岩礁帯に生息している。温帯性のおさかなで、岩手県から九州南部の太平洋側に分布している。
さかなクンの被っている帽子のモデルであるため、ある程度の認知はあると思っている。
知名度を例えるなら、関取の朝乃山くらいである。
・ちょぼ's コメント
何を隠そうあのさかなクンの帽子のおさかなである。私は、あの帽子のおさかなはミナミハコフグかと思っていたけども笑。さかなクンの帽子は完全オーダーメイドで5つ所有しており、常にかぶっているとのことである。そのさかなクンのプロ意識は流石である。似たような帽子は売っているが、なんか質感とか本物とは違うものばかりなのでやはり特別仕様なのだろう。
体中が骨盤でできた箱型に覆われていて、断面が四角くなっており鎧をまとったような頑丈な体のつくりがカッコいい。頑丈なつくりのため、ヒレ以外は動かない。ヒレだけを動かして泳ぐその姿はとても愛らしい。さらに体色と模様もかわいらしいので、観賞魚としても人気である。水族館にも必ずと言っていいほど展示されている。
かわいらしさと頑丈なカッコ良さが同居する稀なおさかなである。このレアなおさかなであるハコフグにさかなクンも魅了されたのだろうか。なんか妙に納得してしまう。
フグの仲間であるが、皮膚以外にはフグ毒のテトロドトキシンを持たないとされている。ただし、パリトキシンを含むエサ(イワスナギンチャクやスナギンチャク)を食べて肝臓に蓄積されている個体もおり、注意が必要である。注意どころでは済まされないけども。
筋肉には毒はないが、皮膚(体表)から分泌する神経毒「パフトキシン」を有している。粘液毒である。この強力な粘液毒のおかげでハコフグを食べようとした大型魚は、すぐに吐き出す。鎧のような堅い装甲と粘液毒、防御はMAXレベルに近い。ポケモンでいうとキョジオーンみたいな感じである。
自分で出した粘液毒で死ぬこともあるほど強力である。串本などの南方の漁港の堤防沿いにパタパタと泳いでる姿をまぁまぁ見かける。泳ぎが速くないので、磯ダモを使用してけっこう簡単にすくいあげることができる。飼育用に持って帰るために他の採集したおさかなも一緒に容器に入れると大変なことになる。持ち帰ったらハコフグ以外、裏を向いて死んでいるような悲惨な事態を経験することになる。粘液毒は恐ろしい・・・。
先ほども書いたが、身には毒はないので(内臓には注意ね)ローカル食材であるが、各地で食用となっている。長崎県五島列島では「かっとっぽ」というハコフグを使った料理が名物である。比較的やわらかいお腹に穴をあけ、合わせみそを加えて焼いたものである。私も食べたことがあるが、確かに美味であった。あまり身は多くないのだが、淡白な身なのでどんな味にもなじむのだろうか(みそが美味しかっただけかな?笑)。焼くとあの堅い骨板は容易にはがすことができるのも一部の地域で食用にされてきた理由なのだろう。
見てよし、食べてよし、被ってよしの超魅力的なおさかなであるハコフグ。今度、水族館で見かけたらじっくりと観察してみて欲しい。
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