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腸いい調子を叶える -朝食メニューと食べる順番-
忙しい毎日を過ごされている方は、ついつい朝食を抜いてしまいがちですが、腸目線で考えると、腸いい調子を実現するには、朝食は必要不可欠な存在です。
そもそも、私達は睡眠中に深部体温が下がっていくようになっています。
睡眠中、深部体温が低下することで、脳と体を休ませ、深い睡眠に入ることができるようになります。これは、皮膚表面から熱を逃がす「熱放散」というシステムが働くことで起こります。
睡眠中は代謝機能も低下しているため、生み出されるエネルギーも当然少なくなっていきます。
このように、身体が冷えた状態になっているわけです。
一方で、起床後の生活を考えると、身体は冷えている方がよいのか、温まっている方が良いのか。これは、考えるまでもなく、温まっている方が良いです。温まることで代謝機能が活発になり、エネルギーがたくさん生み出されていきます。
腸の温度をたかめることが重要であり、その鍵を握っているのが朝食です。
特に朝食のメニュー選びや食べる順番が重要です。朝は腸が活発に動き始める時間帯であり、適切な栄養摂取を行うことで腸内フローラのバランスや腸管の動きを促進することができます。
理想的な朝食メニュー
以下は、腸の健康に良い成分をバランスよく含むメニュー例です。
食事の基礎知識は、以下の記事でも紹介していますので参考にしてください。
1. 発酵食品(プロバイオティクス)
例:プレーンヨーグルト、ケフィア、味噌汁、キムチ、納豆。
理由:腸内で善玉菌を増やし、腸内フローラを整える効果が期待できます。
納豆やキムチは、調理せずにそのまま摂取しやすいので、メニューを考える必要もなく、とても重宝しますね。
2. 食物繊維
例:全粒パン、オートミール、フルーツ(バナナ、りんご、ベリー類)、野菜スムージー、サラダ。
理由:善玉菌を増殖させる働きがあり、便通の改善に役立ちます。
3. 良質な脂質
例:アボカド、ナッツ(アーモンド、クルミ)、エクストラバージンオリーブオイルを使った料理。
理由:腸管のバリア機能をサポートするために必要な成分です。
オリーブオイルはサラダのドレッシングに使うことも簡単にできますし、作り置きメニューでオイル漬けなどを作っておくと、これまた簡単に朝食を組み立てることができます。特におすすめなのはたけのこのオリーブオイル漬けです。
4. 良質なタンパク質
例:卵、豆腐、サーモン、鶏胸肉(調理済み)。
理由:腸粘膜の修復や腸の免疫機能をサポートします。
5. 水分
例:白湯、ノンカフェインハーブティー、レモンウォーター。
理由:腸内容物を柔らかくし、便通をスムーズにするために必要です。
朝食の食べる順番を考える
食べる順番を工夫することで、消化吸収が効率よく行われ、腸への負担を軽減できます。
1. <重要>水分を摂取(最初に飲むもの)
・白湯やレモンウォーター(1杯)
起床後すぐに水分を摂ることで、腸の蠕動運動を促し、デトックス効果を高めます。冷たい飲み物ではなく、温かい飲み物がおすすめです。
2. 食物繊維を摂取
サラダやフルーツ、オートミール
食物繊維を最初に摂取することで、血糖値の急上昇を抑え、腸内細菌に栄養を届ける効果が期待できます。いわゆるベジファーストですね。
3. 発酵食品を摂取
ヨーグルトや味噌汁、納豆
次にプロバイオティクスを摂ることで、食物繊維の作用を高め、腸内環境を整えます。
特におすすめしたいのが味噌汁です。
味噌汁は「朝の毒消し」とも言われており、先程記載した通り、朝の腸は冷えてしまっている状態で、その機能も低下した状態です。効果的に温めることが欠かせません。また、朝は水分も栄養分も枯渇した状態になっているため、温めながら、水分と栄養をまとめて摂れるのが味噌汁です。
味噌汁には、必須アミノ酸やペプチド、ブドウ糖、ナトリウムやカリウムなどの微量栄養素が含まれていて、枯渇した栄養素を補給してくれます。また、味噌には、糀の酵素のおかげで米のデンプン質が分解されたブドウ糖が含まれており、これは脳の活動を支える唯一のエネルギー源です。また、大豆由来のレシチンは脳細胞の老化を予防するとされています。加齢とともに細胞の死滅が進むと物忘れなどの症状が出てきます。
このように味噌汁は非常に効果的に腸はもちろん、身体の状態を整えることができます。
ただ、朝から味噌汁作るのはちょっと大変という方もいらっしゃるでしょう。そんな方におすすめなのは「味噌玉」です。
お湯をかければすぐに味噌汁ができるということで、週末などに簡単に作り置きをしておくと、朝の時間も短縮できます。
また、朝食にありがちな状態として、ついついいつも同じものを食べてしまう、ということがありますが、味噌玉であれば、いくつものバリエーションで作り置きが可能であるため、ご興味がある方は、以下のようなレシピサイトにたくさん簡単につくれるものが乗っていますので、ぜひ見てみてください。
4. タンパク質を摂取
・卵や豆腐、サーモン
最後にタンパク質を摂ることで、腹持ちを良くし、午前中のエネルギー不足を防ぎます。
注意点
腹八分目を意識
腸に負担をかけないために、食べ過ぎないことが大切です。
2.加工食品の回避
ハムやソーセージ、菓子パンなどの加工食品は避け、天然素材を使用した食事を選びましょう。
3.食後のリラックス
食事後に副交感神経を活性化させるため、10分程度のリラックスタイム(深呼吸や軽いストレッチ)を設けると、腸の消化活動が促進されます。
これらの工夫を取り入れることで、腸の健康を促進し、体全体のコンディションを整えることができます。
もちろん、可能な範囲から始める、ということでまずは大丈夫です。
腸の健康は一日にしてならず。継続することが一番大切なポイントです。