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腸いい調子を叶える -減食で腸を休めよう-

腸は消化、吸収、排泄といった重要な役割を担っており、その健康状態は全体の健康に大きく影響します。

現代は飽食の時代とされ、なかなか腸が休まらないため、本調子になれない腸が悲鳴を上げています。
身体も心と同じように、腸にも休息が必要とされています。

腸の調子を整えるために、減食という方法が注目されています。
最近では様々な「食制限」の方法がありますが、多く聞くのは断食やファスティングなどではないでしょうか。断食をやってみたけど、うまく継続できなかったという方にもおすすめの方法がこの「減食」です。
本noteでは、減食が腸に与える影響について、解説します。

1. 減食の定義とその目的


減食とは、通常の食事量を意図的に減らす行為を指します。
基準となるのは摂取カロリーで、通常成人の方だと一日あたり2000kcalが目安になっています。これ以上に日々摂取しているという人は、平均的な摂取カロリーから20-25%程度を減らすような目安で進めると良いでしょう。
減食には、以下の目的があります:

  • 消化器官の負担軽減: 食事量を減少させることで、胃腸にかかる負担を減らし、消化機能を整える助けとなります。

  • 食欲の調整: 減食により、適切な満腹感を取り戻すことで、過食を抑制します。

自分では意識していないところですが、食欲がうまくコントロールできなくなっていることには注意が必要ですね。

2. 減食が腸に与える影響

腸は腸脳相関と言われるように、脳や自律神経と密接に関わり合っています。

自律神経の安定

腸の健康は自律神経と密接に関連しています。減食を行うと、消化活動がスムーズになるため、副交感神経の働きが活性化され、腸の正常な機能が促進されます。これにより、腸の運動が活発になり、便秘や下痢といったトラブルが軽減される可能性があります。

腸内フローラの改善

減食によって食事内容を見直した結果、腸内フローラにも良い影響が出ることがあります。特に、食物繊維を含む食品を選択することで、善玉菌(ビフィズス菌など)が増加し、腸内環境が整います。研究によると、腸内フローラのバランスが整うことで、免疫力が向上し、感染症やアレルギーのリスクが減少することが示されています。

便通の改善

減食をすることで、特に固形食を控えると、腸が空になる時間が増えます。この空腹状態には、腸内に残っている老廃物を排出するホルモンの分泌を促す役割があります。ペプチドYYやグレリンといったホルモンが、この過程に影響を与えることが研究で示されており、便通の改善につながります。

3. 減食を始める際のポイント

バランスの取れた食事選択

減食を行う際は、栄養バランスに注意が必要です。野菜、果物、全粒穀物、良質なタンパク質を基本にし、必要な栄養素を確保しつつカロリーを減らす食事を心がけましょう。

また、なかなか始めにくいという人へのおすすめとして、夕食の量を半分にする、という内容です。
基本的に、夕方以降はエネルギーを消費することがないため、夕食で摂った食物は脂肪として蓄えられることが多くなります。
多忙に過ごしていて、なかなか切れ目を見いだせないという方にも特におすすめです。

また、食べすぎてしまった、飲みすぎてしまったという日が時々出てきてしまうタイプの方には、その翌日の夕食の量を半分程度に減らしていくことが望ましいです。

また、極端に一日で考えると言うよりは、習慣として捉えたほうが継続しやすいため、1週間単位くらいで整えていく方が良いでしょう。
3日食べすぎてしまっているのであれば、4日は減食していく、というようなイメージですね。

またより本格的に取り組みたいという方には、固定的に1週間のうち2日は減食日とする、というような取り組みが推奨されます。
この場合減食日の摂取カロリーは通常の1/3程度、800kcalを目安とするのが良いと考えられています。

この場合特に重要なのは朝食をしっかり取ることです。
夕食が最も削りやすいのは最もですが、エネルギー源が極端に不足してしまうと身体のパフォーマンスが低下してしまいます。
そのため朝食はしっかりと食べて減食に取り組みましょう。

食事の頻度とタイミング

食事の間隔を4~5時間開けることが理想です。また、遅い時間の食事を避けることで、消化機能を適切に維持できます。

水分摂取

十分な水分を摂取することは、消化にとっても重要です。水やハーブティーなど、カロリーのない飲み物を選ぶことで、満腹感を得つつも摂取カロリーを抑えられます。

医学的観点から見た注意点

減食は、健康的に行うことが大切ですが、極端な制限や不規則な減食は逆効果をもたらす場合があります。栄養不足やエネルギー不足に陥ると、体調不良や免疫力の低下を引き起こす恐れがあります。特に病気のリスクがある方や、特定の栄養素が必要な妊婦・授乳中の方は、医師や栄養士と相談の上で行うことが推奨されます。

健康的な減食を実践するためのステップ

食事日記の作成

  1. どのような食事を摂っているかを記録することで、食生活の見直しができます。これにより、過食や不規則な食事の傾向を把握し、改善点を見つける手助けとなります。

あすけんなどのアプリもありますので、そうした手軽に始められるサービスを取り入れるのも良いでしょう。

小さな目標を設定する

一度に大幅な減食を目指すのではなく、徐々に食事量を減らすことで体を慣らしていきましょう。例えば、普段の食事から1割程度減らしてみることから始め、その後徐々に調整を行うのが効果的です。

栄養素のバランスを考慮する

減食する際は、栄養をしっかり摂ることが大切です。特に食物繊維やビタミン、ミネラルを含む食品を多く取り入れ、腸内環境をサポートしましょう。例えば、野菜スープやサラダを取り入れるとよいでしょう。

意識的に食べる

食事中は、食べることに集中しましょう。テレビやスマートフォンを一時的に遠ざけ、食事を楽しむことで満足感が高まり、過食を防ぐことができます。よく噛むのも忘れずに。

休息時間を設ける

食後は約30分から1時間程度休息を取ることで、消化機能を助けられます。この時間にはリラックスすることを心がけ、身体を休めましょう。

さいごに

腸の調子を整えるための減食は、生活習慣の見直しと合わせて行うことで、より効果を実感できるでしょう。自分に合ったスタイルで、無理なく減食を取り入れ、腸の健康をサポートしていくことが大切です。もし健康に不安がある場合は、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
健康的な腸を持つことは、全体的な健康と幸福感にもつながりますので、日々の生活の中で意識的に腸のケアを行っていきましょう。

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