「獣の国」第1幕 第13場(別離)
別離
■ 光沢のあるタイトな黒革のライダースーツに着替えたライラは、特殊な形状のナイフを革の鞘に収め、両の太腿に装着している。
■ライラの腰背部のヒップホルスターには拳銃が差し込まれている。
■ 長い髪を後ろで纏めたレベッカ、ノーメックス製の黒のジャケットの襟元から伸びたコードは、左耳のイヤホンに繋がっている。
■ レベッカの腰背部のヒップホルスターには拳銃が差し込まれている。
■ イツァークがライラに歩み寄り、その横に立つ。
■ ライラとイツァークの2人と向き合って立つドルジとアロ、その後ろに立つレベッカはやや俯いている。
■ 笑いを浮かべ、ドルジがイツァークに話し掛ける。
(ドルジ)ここからは別行動だ
(ドルジ)ライラ・センセイに”色々”教えて貰うんだな
■ 無反応のイツァーク。
■ 言葉を返すライラ。
(ライラ)アロはともかく もう一人のおじさまは足腰に少しガタがきているから
(ライラ)老年者に対する労りの心を持って接してあげてね レベッカ
■ 苦笑いするドルジ。
(ドルジ)ぬかせっ
■ ぎこちない笑みを浮かべながらレベッカが答える。
(レベッカ)はい
■ レベッカに向かって問い掛けるドルジ。
(ドルジ)レベッカ
(ドルジ)お前さんはイツァークに何か言っとかなくていいのかい?
■ 少し寂しげな表情でイツァークの顔を見るレベッカ。
(レベッカ)あ……
■ 見返すイツァーク。
■ 真っ直ぐイツァークを見つめ、言葉を発するレベッカ。
(レベッカ)A un de ces quatre!(また会いましょう!)
■ 返事をするイツァーク。
(イツァーク)ああ また会おう
■ ぱっと頬を上気させ、微笑むレベッカ。
■ ドルジたち3人に手をヒラヒラさせながら外部へと繋がる扉へ向かうライラ。
(ライラ)じゃ 先に行くわ
■ ライラと共に出て行こうとするイツァークをアロが呼び止める。
(アロ)イツァーク
■ 振り返るイツァーク。
■ イツァークに言葉を掛けるアロ。
(アロ)差し出された手は振り払わんことだ
(アロ)この地で 誰かが力を貸そうとするなんて そうそうあることじゃない
■ 軽く頷き、扉の向こうへと歩き出すイツァーク。
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