「獣の国」第1幕 第29場(捨て奸)
捨て奸■ 右手にイツァークから渡された拳銃を握り、レベッカは左手で救出した女を支えながら、所々にぶら下がっている裸電球の僅かな光を頼りに、暗く長い通路を進む。
■ 血と泥で顔が汚れているレベッカ、女に話し掛ける。
(レベッカ)あとちょっと頑張れば出口があるはずです
(レベッカ)もう少し歩けそうですか?
■ 薄汚れたワンピース姿、苦しそうな表情で答える女。
(女)…… はい…… 大丈夫です……
■ レベッカは、傷だらけの足になるべく負担を掛けぬよう、華奢な女の腰に回した手