「獣の国」第1幕 第7場(First Contact)
First Contact
■ テーブルを囲んで座る3人の男女とレベッカ。
■ アジア系の男がレベッカに話し掛ける。
(アジア系の男)あのにいさんは あんたの連れ合いかい?
■ 答えるレベッカ。
(レベッカ)いえ…… さっき上で会ったばかりの人です
■ ニヤリと笑いながら探りを入れるアジア系の男。
(アジア系の男)ふーん
(アジア系の男)それにしちゃあ さっきのあんた
(アジア系の男)一人にしないで! って縋り付かんばかりの様子だったぜ?
■ レベッカは少し赤くなり目線を下げる。
(レベッカ)……
■ 頬杖を付いて微笑む黒髪の女、レッドマンと呼ばれた長身の男の表情は変わらない。
(黒髪の女)色恋沙汰は御法度って決まりはないじゃない? ドルジ
(黒髪の女)一目で惹かれちゃうことだってあるわよ ねぇ?
■ 慌てて両手を振りながら答えるレベッカ。
(レベッカ)いえ! そんなんじゃ……
■ ドルジと呼ばれたアジア系の男が畳み掛ける。
(ドルジ)ふーん そんなんじゃなければ どんなんなんだぁ〜?
■ レッドマンと呼ばれた長身の男が口を挟む。
(長身の男)そこら辺にしろ ドルジ
(長身の男)お前さんはふざけが過ぎる
■ 厳つい表情のままレベッカに右手を差し出す長身の男。
(長身の男)アロだ
(アロ)まだ君の名前を聞いてなかったな
■ アロの手を握りながら答えるレベッカ。
(レベッカ)レベッカです
■ レベッカの手を取り、黒髪の女も名乗る。
(黒髪の女)ライラよ 会えて嬉しいわ
(ライラ)そろそろ彼氏も終わって出てくる頃ね
(ライラ)あなたも連絡員の退屈な話を聞いてらっしゃいな
■ 通信室の扉が開き、イツァークが部屋から出てくる。
■ 椅子から立ち上がり、イツァークの方へ身体を向けるレベッカ。
■ レベッカに話し掛けるイツァーク。
(イツァーク)先に済ませた
(イツァーク)レベッカ・カトー あんたの番だ
■ 少し驚いた顔のレベッカ。
(レベッカ)えっ? はいっ レベッカです…… ?
■ ニヤニヤ笑いながら2人を見ているドルジ。
■ 突然、大きな音を立てて中央の扉が開く。
■ 開いた扉から、迷彩服を着た巨大な体躯の男が、背の高い痩身の男と一緒に入ってくる。
■ 見開いた目でレベッカを凝視しながら、迷彩服の男は連れの男に話し掛ける。
(迷彩服の男)見ろよ 新入りだ
(迷彩服の男)しかも1人は若い女だ
■ 迷彩服の男を見返すイツァークとレベッカ。
■ 淫猥な笑いを浮かべる迷彩服の男。
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