「獣の国」第1幕 第17場(診療所)
診療所
■ 短機関銃を右手にぶら下げ、診療所の扉を開けるイツァーク、その後ろを拳銃を手にしたライラが続く。
■ 待合室には何の気配もない。
■ 奥の部屋との間を仕切るカーテンを開けるイツァーク。
■ 診療室の中、診察台には死体が横たわっている。
■ 腹の辺りが激しく損傷している。
■ 死体には、あるべき場所に首がない。
■ 眉根を寄せるライラ。
■ 診療室の奥に、上の階へ続く階段がある。
■ ライラの方へ振り返り、イツァークは階段を指差す。
■ 音を立てず、階段を上がっていくイツァーク。
■ 2階の踊り場にイツァークが到着する。
■ 左側、外階段に続く扉は開け放たれ、床には引き摺ったような血の跡がある。
■ 右側、廊下を挟んで、開かれた引戸の先の居間の中には食卓と倒れた椅子が見える。
■ 何かを確認するかのように一瞬立ち止まるイツァーク。
■ 振り返り、ライラに向かってイツァークが頷く。
■ イツァークはゆっくりと居間へ足を踏み入れる。
■ 居間の床にも血の跡が付いている。
■ イツァークはライラに顔を向け、人差し指を上に向ける。
■ 3階へと続く階段を上がっていくイツァークとライラ。
■ 階段を上がると、廊下を挟んで目の前にある部屋の扉は閉まっている。
■ イツァークのゴーグルの奥の目が鋭くなる。
■ 扉を蹴り開けるイツァーク。
■ 部屋の中は暗い。
■ 短機関銃を構え、イツァークは部屋の中へ一歩踏み込む。
■ 突然、横から黒い影が襲い掛かる。
■ 瞬時に身体を仰け反らせ、紙一重で避けるイツァーク。
■ イツァークの後ろからライラの拳銃が火を吐く。
■ ライラの拳銃から放たれた弾丸が黒い影の背中を抉る。
■ 軋むような叫び声が上がる。
(声)ぎっっ
■ 後ろに倒れながら、イツァークが短機関銃の引鉄を絞る。
■ 弾丸が壁を貫き、耳障りな叫び声が響く。
(声)ぎぃぃぃっ
■ ライラが叫び声の方へ拳銃を撃ち続ける。
■ ガラスが割れる音が響く。
■ 部屋へ突入する2人。
■ 突き破られたガラス窓から僅かに風が吹き込み、カーテンを揺らす。
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