ぶろもあずれん

錯体化学を専攻としている博士課程課程のものです。 いろいろ考えたことを書いていきたいと思います。

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最近の記事

私が「掴む」までの勉強法

これから示すのは私が「感情」という単語を掴むまでの方法だ。これはあくまで私の方法であって、一般論ではない。いや、一般論には決してなりえない。大谷翔平のように私が野球できないのと同様に、皆が私と同じ方法で掴むことはないだろう。しかし、その間の苦悩や不安、葛藤などは共通の部分があると思う。だから、なにがしかたくさんの人に参考になるとよいと思う。いや、参考になると確信があるから書くのだと思う。 まず、この「掴む」という言葉。読む人が読めばどういうことかすぐに勘づくのではないか。逆

    • 2歩目を踏み出すための20冊の本

      私は現在博士課程の2年生であり、化学を専攻しています。 B1の時に自身を再建設すると誓い、7年半経ちました。 実際に意識的に始めたのは読書。 高校時代の全てのアイデンティティを失った私はとにかくこのままではいけないと思っていた。 そして、何をするかと考えた時、出てきたのが読書だったと思う。 大学生だから時間は大量にある。 そして、なんか読書はいいという風潮がある。 私は小学生の頃から読書が好きで、本に対する抵抗はなかったと思う。 両親に聞いても私はいつも本を読んでいたそう。

      • 化学系博士課程学生が考える:旅行と音楽鑑賞の共通点。そして、2歩目へのヒント。

        これは小林秀雄の言葉です。 旅行に関する言及をしています。 旅行先では見るもの聞くもの全てが新しい。 心中はうわぁという感じでしょうか。 頭に残るのはインパクトです。 なにか強く殴られたような、剣道で言えば面を打たれる感覚と言いましょうか。 そして、この強い頭への衝撃は奥まで浸透しない。 面を打たれて打たれたなって思うのはその一瞬だけです。 旅行から帰った後、すぐに日常に戻ることができるのもそれが理由でしょう。 きっと、感情が伴わないというのはそういうことでしょう。 やはり、

        • 化学系博士課程学生が考える:デカルトの歓び

          デカルトの著書といえばやはり、『方法序説』ですよね。 そして、何の方法かと聞かれれば、それは真理を見出すための方法。 もっと詳しくいえば、デカルトが真理に辿り着いた方法ということです。 ここについて、デカルトは誤解がないようにはっきり書いてある。 一般論でなはなく、あくまで私の方法ですよと。 まあ、それはそうですよね。 全員が同じ方法を取れるはずがない。 だって、体が違いますからね。 思考という意味では脳が違いますから。 私が大谷翔平のように野球ができないのと一緒です。 同

          化学系博士課程学生が考える:My Little Loverにおける純粋さ

          私はJ-POPを聴くのが大好きです。 歌うのも大好きです。 実験室でも歌っています。 今年の学部四年生の方曰く、実験室で歌っている人がいたのでびっくりしたとのこと。 でも、せっかくなら楽しく実験したいじゃないですか。 もちろん、安全には気をつけながらですが。 そんな私が好きなグループは3組いて、 CHAGE&ASKA、スピッツ、そしてMy Little Loverです。 今回はMy Little Loverについて書いてみたいと思います。 My Little Lover

          化学系博士課程学生が考える:My Little Loverにおける純粋さ

          化学系博士課程学生が考える:マティスの描く人

          昨年のマティス展でのこと。 いつも通り上野に行き、東京都美術館に向かいました。 チケットを学生料金で購入していざ、マティス展へ。 私は美術館に行って絵画を見るのが好きですが、見るスピードはとても速いと思います。 絵画をパッと見た時の印象を大事にしているからです。 どんなものでも、自分と共鳴するものは一瞬でわかるもの。 ただ私の経験則ですが、ゆっくりかけてわかることは少ないと思います。 そういう場合は、おそらく自分が変わった場合で、分かる瞬間は一瞬だと思うのです。 だから、その

          化学系博士課程学生が考える:マティスの描く人

          化学系博士課程学生が考える:本物を探す物語〜やはり俺の青春ラブコメは間違っている。〜

          やはり俺の青春ラブコメはまちがっている、通称俺ガイルを私が知ったのは修士2年の時でした。 研究室の同期のオススメでライトノベルを読み始めたのですが、これがまた面白かった。 一時期、実験の合間は全て俺ガイルを読む時間に捧げる日々を過ごしていました。 反応回したら俺ガイル。 エバポの待ち時間で俺ガイル。 アニメは全話見ましたし、聖地巡礼もしました。 その結果、稲毛海岸が大好きになりました。 先日、国際学会でオーストラリアに行きましたが、オーストラリアのビーチよりも断然稲毛海岸の方

          化学系博士課程学生が考える:本物を探す物語〜やはり俺の青春ラブコメは間違っている。〜

          化学系博士課程学生が考える:CHAGE&ASKAの2つの川

          CHAGE&ASKAの2つの川といえばもちろん、『万里の河』と『river』です。 『万里の河』は1980年にリリース。 『river』は1996年にリリースです。 だから、『万里の河』から『river』まで16年の間があります。 私はこの16年にASKAさんの変化、大きなエネルギーに流れた旅路を感じます。 『万里の河』はとても壮大な曲です。 イントロから何かとんでもないことが始まることを予感させます。 『万里の』は万里の長城に由来するのでしょうか。 その名の如く、中国風

          化学系博士課程学生が考える:CHAGE&ASKAの2つの川

          化学系博士課程学生が考える:ゴッホの確信

          私はゴッホの言葉の中で、 ジャナンに芍薬があるように、自分はひまわりを選んだ。 という言葉がとても好きです。 うろ覚えですので少し違うかもしれません。 岩波文庫のゴッホの手紙の下巻を見ますと、選んだ、ではなく、あった、となっていました。 だから、翻訳者によって意見がわれているのかもしれませんね。 しかし、この言葉から、ゴッホの覚悟、確信、自信が感じられませんか。 この言葉は昨年のゴッホ展で知りました。 その時の展示では、ゴッホの絵と共にゴッホが残した言葉が紹介されてい

          化学系博士課程学生が考える:ゴッホの確信

          化学系博士課程学生が考える:化学で得たもの

          合成化学の研究を始めて5年目の私が、化学に取り組んで得たものについて書いてみます。 結論から述べると、頭と感覚のリンクです。 学部3年生までのお勉強はふわふわした感じで、いつも不安が残りました。 例えば、有機化学の授業では反応機構の勉強をします。 ある程度の理論がありますので、お勉強することによって、この試薬とこの試薬を混ぜることによって、目的化合物を紙面上において合成することができるようになります。 私も、ある程度はできるようになりました。 有機化学の授業は楽しかったの

          化学系博士課程学生が考える:化学で得たもの

          化学系博士課程学生が考える:研究テーマの選び方

          まずはじめに謝罪したい。 研究テーマの選び方などというタイトルを見て読んでくれた方には大変申し訳ないのですが、私は研究テーマは自分の直観で選んで欲しい。 私の研究室では、4月の初週に複数の研究テーマ名が公開され、その中から自分で選ぶ方針がとられている。 このような選び方の場合、本当はぜひ、自分で選んで欲しい。 それも、大きな確信と自信を持って選んで欲しい。 私の場合、研究テーマ一覧を見た時に絶対これだという確信のもと選んだ。 研究テーマ一覧を見た時、そのテーマが光っ

          化学系博士課程学生が考える:研究テーマの選び方

          化学系博士課程学生が考える:宙に浮く研究、地に足ついた研究

          私は博士課程2年の学生です。 26歳です。 もう20年くらい学校と呼ばれる場所にいることになります。 我ながら学校大好きですね。 学部4年生で研究室に入るまで、つまり学部3年生までは座学が基本でした。 小学校1年生から大学学部3年生まで、15年間座学を受けたことになります。 その間の勉強はずっとふわふわしていた。 常に何かのための勉強。 今となってはその時の精神の問題と反省していますが、当時はそう思ってた。 やっていることはシンボルの操作のみ。 問題は解けるけど、ちゃん

          化学系博士課程学生が考える:宙に浮く研究、地に足ついた研究

          化学系博士課程学生が考える:アメリカのやり方②

          続きです。 次に驚いたのが、アメリカのCVです。 CVは履歴書のようなものです。 そして、アメリカのCVには顔写真がないのです。 自身の経歴、業績のみが書かれます。 顔写真を載せない理由として、差別への配慮があるそうです。 つまり、人種、性別などで判断されないように顔写真を載せないとのこと。 でも、これ本当にそうでしょうか。 確かに表面の意識ではそういう認識なのでしょう。 でも、この裏にあるのはその経歴を持っている人なら誰でもいいってことじゃないですか。 つまり、そ

          化学系博士課程学生が考える:アメリカのやり方②

          化学系博士課程学生が考える:アメリカのやり方①

          今年の夏、運良くアメリカ研修プログラムに参加させてもらいました。 それも、博士課程の学生は交通費、宿泊費無料だったので、実質ほぼタダ旅行みたいなものでとてもお得でした。 内容としては、期間が1週間くらいで、半分が講義、半分が企業や大学の訪問といった形で、主にアメリカの風土を知ることが目的だったと思います。 そこで、アメリカってこうなんだ。 と私的に気づいたことがありましたので、書いてみようと思います。 先ほど述べた講義というのは、アメリカで活躍する私の所属している大学

          化学系博士課程学生が考える:アメリカのやり方①

          化学系博士課程学生が考える:introductionを書く理由

          論文の構成は、一般的にabstract、introduction、experimental、result and discussion、conclusionからなります。 abstractはその論文の要約、experimentalは実験項、result and discussionは結果と考察、conclusionは結言を示します。 そして、今回の問題であるintroductionはその研究の背景を示します。 この項では、その研究をやる理由を示さなければならないのです。

          化学系博士課程学生が考える:introductionを書く理由

          化学系博士課程学生が考える:モネの眼と私の眼

          最近、国立西洋美術館でクロード・モネの睡蓮の展示が始まりましたね。 初日に上野を通りかかったら大行列でびっくり。 本当に人気ですよね。 私はそこそこ絵画も好きなので、今回はモネの絵について書いてみたいと思います。 ちなみに私はあまり睡蓮が好きではないです。 私がモネの絵で一番好きなのは『ノルマディの田舎道』という絵です。 では、本題に。 モネの絵というのはモネの眼になっていると思っています。 つまり、モネの視界になっています。 モネの絵をよく見てみますと、ある一点

          化学系博士課程学生が考える:モネの眼と私の眼