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「ブラック・ダリア」(2006年)
ブライアン・デ・パルマの作品。
残念ながら、あまり出来がよくない。
主演のジョシュ・ハートネットとアーロン・エッカートはいい。
ヒラリー・スワンクはもいい演技をする。だがしかし、ヒロインのスカーレット・ヨハンソンの演技がくどすぎる。
映画全体のトーンも、テンションがあがったり下がったり。別の監督が撮ってるんじゃないかというくらい違う。そのせいだろうか、全体的にちぐはぐというか、退屈な印象になっている。
原作は、ジェイムズ・エルロイの同名の小説。L.A.4部作の第1作。同シリーズの第3部は「L.A.コンフィデンシャル」(1997年)として映画化されてヒットした。
本作は、1947年にロサンジェルスで起きた「ブラック・ダリア事件」を題材にしている。
主人公はロサンゼルス市警に所属する二人の刑事。バッキー・ブライカートと、リー・ブランチャード。ふたりとも元ボクサーだ。ヒロインはリーの恋人ケイ・レイク。
ある日、猟奇殺人事件が起こる。被害者はエリザベス・ショートという女優志望の少女。バッキーとリーはこの事件を担当する。調査をすすめていくうちに、さまざま点がつながって、線になっていく。その線は蜘蛛の巣のように、登場人物たちをからめとっていく。
原作は日本でも結構売れたと思う。個人的にエルロイが好きだったので、自分でそう思っているだけかもしれない。
売れたかどうかはともかく、原作はよかった。ただ、映画のほうはフィルム・ノワールの雰囲気を作ろうとして失敗している。
長回しのショットやヒッチコック風の階段のショットなど、いわゆるデ・パルマカットはいくつかある。そういうところはたしかにかっこいいのだが、映画全体に勢いやエネルギーを感じさせるほどではない。
デ・パルマは長い間ヒットに恵まれていない。
ネットフリックスが登場してから、映画産業は変わった。視聴率が最優先される世界になり、作家性の強い作品は売れなくなった。それでもスコセッシやリドリー・スコットなどはまだ第一線で活躍している。デ・パルマが生き残れない理由はないはずだ。そして、実はデ・パルマのような監督こそ、ネットフリックスの資本があれば、面白い作品を作れるのではないか、とも思っている。
https://www.youtube.com/watch?v=C8pyA8vsDoQ&t=1s
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